【九六式艦上攻撃機】(きゅうろくしきかんじょうこうげきき)

空技廠(海軍航空技術廠) B4Y.

1930年代に日本の海軍航空技術廠(空技廠)が設計・開発し、日本海軍制式採用された複葉艦上攻撃機
連合国軍でのコードネームは「Jean」であった。

本機は、先に開発された一三式艦上攻撃機の後継となる「九試艦上攻撃機」として、中島三菱と空技廠との競争試作によって開発された。
このうち、中島、三菱の機体に強度不足などの問題があったため、九四式水上偵察機の構造を採用するなど堅実な設計であった空技廠の機体が、1936年に「96式艦上攻撃機」として制式採用された。

一三式の後継となるべき機体には、これ以前に「八九式艦上攻撃機」「九二式艦上攻撃機」があったが、いずれも不満足な出来上がりであった。

機体は複葉羽布張りの固定脚機で、上翼はパラソル配置であった。
機体の中央部に、開放式風防の三座席(操縦士偵察員・通信員)が設けられ、エンジンカウリングの直径を切り詰めたり胴体になだらかな曲線を採用するなど、空気抵抗の低減に注力された作りとなっていた。

しかし、時代はすでに全金属製・単葉の高速機の時代に入っており、最高速度が300km/hに満たなかった本機の活躍の場は限られていた。
事実、本機より1年遅れて開発された低翼単葉九七式艦上攻撃機が成功したこともあり、生産機数は約200機にとどまった。


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