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*&ruby(きへい){【騎兵】}; [#x7346058]

(英)Cavalry~
戦場で馬に乗って戦う兵士。~
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馬に乗ることで、徒歩で移動する[[歩兵]]よりもはるかに優れた速度・機動力を得られ、また、野戦では歩兵よりも高い位置から刀や槍・弓矢・銃を扱うことができるため、[[威力偵察]]による敵戦力の探知・減殺、会戦時の集団による戦線突破などの幅広い任務で重宝された。~
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しかし、馬は生き物であるがために、それを「兵器」として使えるようにするには、人間の兵士と同じように適度な食糧と水と睡眠を与え、適切な訓練(調教)を施すなどのコストがかかり、また、それに乗る兵士にも高度な技術が要求されることから、所有できるのがひと握りの貴族や有力者に限られており、騎兵が特に発達した中世ヨーロッパでは、彼らがそのまま「騎士」として国家の支配階層にもなっていった。~
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上述のとおり、同じ地形で戦う限りにおいては歩兵より優位にあることから、近世までは[[歩兵]]・砲兵と並ぶ正面戦闘部隊と位置付けられていたが、19世紀の後半になると[[ライフル]]の普及や後込め式小銃、機関銃の登場といった火器の改良が進んだため、背の高い騎兵は逆に射撃の的になってしまい、急速に陸戦の主力から退いてしまう。~
その後は偵察や部隊・司令部間相互の伝令、火砲の牽引や資材輸送という支援任務に就くことが多くなったが、これもまもなく前者は[[戦車]]や装甲車・オートバイ、後者もトラックや鉄道に取って代わられてしまい、[[第二次世界大戦]]を最後に正規戦闘部隊としての「乗馬騎兵」は姿を消すことになる((ちなみに、世界で最後に正規の乗馬騎兵部隊による戦闘を行ったのは[[日本軍]]である))。~
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しかし、現在でも英国・フランスなどのヨーロッパ諸国では古い部隊の伝統を重んじ、かつての騎兵部隊が馬に替えて戦車や装甲車を持つようになった後も、部隊名に「騎兵」という言葉を残していることがある。~
また、ベトナム戦争当時のアメリカ陸軍は、[[ガンシップ]](または攻撃[[ヘリコプター]])や偵察ヘリコプターを装備し、空中から索敵攻撃を行う部隊に「航空騎兵」という部隊名を与えた他、ヘリコプター部隊を複数合同させ、戦略的にこれを運用する「第1騎兵[[師団]]」という部隊も編成した。~


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