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【関西国際空港】 †
大阪湾内・泉州沖の人工島「関空島」に所在する拠点空港*1。
1994年、日本で2番目の「本格的海上空港」*2として開港した。
また、設置・運営が民間企業により行われていることから「世界初の『民営国際空港』」ともなった。
開港当時は、日本で唯一の深夜早朝の発着が可能な24時間運用空港*3であったり、国際線には日本初参入となる航空会社の路線が就航するなど、明るい話題にあふれていた。
しかし近年は、不況やアメリカの9.11事件が大きく響き、便数・利用者が頭打ちになっており、さらに追い討ちをかけるように埋立地の地盤沈下による追加工事の経費加算などの問題を抱えている*4。
現在では伊丹空港(大阪国際空港)及び神戸空港とのマルチエアポートの関係にあり、航空券や時刻表では「大阪(関西)」と表記されているものがある。
設置・運営形態 †
前述の通り、本空港の建設・運営は民間企業「関西国際空港株式会社」*5により行われてきた。
しかし、本空港にかかる一連の建設工事の過程で発生した巨額の債務(約1兆2000億円)が経営を圧迫し、一株5万円で発行された同社の株式が、時価1円の評価にまでなる有様となってしまった。
このため、2012年7月に「新関西国際空港株式会社*6」と呼ばれる新会社が設立され、空港の運営と債務の1/3をこちらに引き継がせることとした。
なお、空港の敷地と残る2/3の債務は「関西国際空港土地保有」と改称した旧会社が引継ぎ、新会社に土地を貸与してその賃料で債務を返済することとしている。
空港情報 †
所在の官公庁航空組織 †
余談 †
- 本空港の敷地となっている人工島「関空島」は行政上、大阪府泉佐野市・泉南郡田尻町・泉南市の二市一町に属している*8が、泉南市及び田尻町の区域となっている場所は、両市町の本土側から他の市町村を経由せずに行くことができない事実上の「飛び地」になっている(本土との連絡橋が泉佐野市の区域にあるため)。
また、南部の泉南市に属する区域には国際貨物ターミナルなどがあり、航空保安上の見地から関係者以外の立ち入りが禁じられている。 - 本空港の敷地に住民登録をしている人間は、大阪府警察・関西空港警察署の署長一人だけである。
(警察署長は署の所在地に住民登録をすることが義務付けられているため。なお、関空署の庁舎は泉南郡田尻町の区域に位置しているため、署長は田尻町の町民となる)
このため、関空島の人口密度は0.077人/平方キロと、日本領の有人島としては最小となっている。*9 - 2001年、米国土木学会(ACSE)が選ぶ20世紀の10大土木プロジェクト「
Monument of the Millenium 」の「空港の設計・開発」部門に選定された。 - 開港日の翌日である1994年9月5日、超音速旅客機「コンコルド」(エールフランスによるチャーター便)が本空港に飛来したが、同機にとってはこれが最後の来日となった*10。
*1 空港法上での設置場所は「大阪府泉南郡田尻町」とされている。
*2 海上空港の第1号は1975年に開港した長崎空港であるが、こちらは元々あった島を拡張・造成したものであり、ゼロから海を埋め立てて作った空港としては本空港が日本初であった。
*3 「24時間運用」自体は新千歳空港が先に開始していたが、そちらは貨物機限定であった。
*4 これらの諸問題については、近年になって「着陸料の値下げ」や「LCCの乗り入れが進んだこと」などにより改善の方向へ向かっている。
*5 正確には「日本国政府の出資により設立された特殊会社」である。
*6 同社は本空港の他、大阪国際空港(伊丹空港)の運営も行っている。
*7 特殊部隊?「SST」の輸送手段としても用いられている。
*8 地名としては、北から順に「泉佐野市泉州空港北」「泉南郡田尻町泉州空港中」「泉南市泉州空港南」となっている。
*9 ちなみにこの人口密度は、国としては最小のモンゴル国よりも小さい。
*10 なお、本空港以外にコンコルドが着陸したのは、日本では羽田空港と長崎空港の2ヶ所だけしかない。