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*&ruby(ひゃくしきしれいぶていさつき){【一〇〇式司令部偵察機】}; [#zd6641eb]
1930〜1940年代に[[三菱重工業]]が開発・生産し、[[大日本帝国陸軍航空隊>日本軍]]に納入された[[双発>双発機]]・[[レシプロ>レシプロエンジン]]の[[高速偵察機>偵察機]]。~
陸軍での[[型式]]呼称は「キ46」、[[連合国軍>連合国（第二次世界大戦）]]でのコードネームは「&ruby(ダイナ){Dinah};」であった。~
>陸軍内部では「一〇〇偵」「一〇〇式司偵」「新司偵」「一〇〇司」「ヨンロク」という名称で呼ばれていた。
本機は、前作・[[九七式司令部偵察機]]の設計コンセプトであった「[[戦闘機]]よりも高い速度性能と長い[[航続距離]]を生かして単機敵地上空奥深くへ侵入、敵情を収集する」をさらに進化させる形で開発された。~
そのため、胴体は細身で流線形に仕上げられ、[[エンジンナセル>カウル]]も空気力学に基づいて設計された。~
これらにより、敵の[[迎撃戦闘機]]を振り切れる高速性、優秀な高高度性能及び[[上昇限度]]、多大な[[航続距離]]を得ることができ、[[大東亜戦争]]の終戦まで各戦線の[[偵察]]任務に投入され、多くの有益な情報を持ち帰って作戦遂行に貢献した。~
>当時、連合国軍では本機の独特なスタイルと任務から、コードネームとは別に''「ビルマの通り魔」「空の百合」「写真屋のジョー」「地獄の天使」''などとも呼んでいた。
また、戦争末期には[[B-29]]による日本本土空襲に対応するため、本機をベースに、機首や機体上部に[[機関砲]]を備えた[[迎撃戦闘機]]も作られた他、ごく少数が[[特攻機]]としても用いられた。~
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本機は陸軍の他、（[[陸上基地>飛行場]]から展開する優秀な[[偵察機]]を持っていなかった((日本海軍では長い間、[[水上機]]・[[飛行艇]]を[[偵察機]]として用いていた他、[[艦上攻撃機]]・[[陸上攻撃機]]に[[偵察機]]の役目を兼務させていた。))）海軍でも使用された((本機を装備した陸軍部隊を「一時的に指揮下に組み入れる」形で用いることが多かったが、第151海軍航空隊では陸軍から本機の供給を正式に受けて用いていた。))。~
本機は陸軍の他、（[[陸上基地>飛行場]]から展開する優秀な[[偵察機]]を持っていなかった((日本海軍では長い間、[[水上機]]・[[飛行艇]]を[[偵察機]]として用いていた他、[[艦上攻撃機]]・[[陸上攻撃機]]に[[偵察機]]の役目を兼務させていた。&br; （一方の[[アメリカ海軍]]では、[[急降下爆撃機]]にも偵察機の役目を兼務させていた）))）海軍でも使用された((本機を装備した陸軍部隊を「一時的に指揮下に組み入れる」形で用いることが多かったが、第151海軍航空隊では陸軍から本機の供給を正式に受けて用いていた。))。~
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**スペックデータ [#b616405c]
|形式|CENTER:二型&br;（キ46-II）|CENTER:三型&br;（キ46-III）|
|乗員|>|CENTER:2名（操縦者1名・偵察者1名）|
|全長|>|CENTER:11.00m|
|全高|>|CENTER:3.88m|
|全幅|>|CENTER:14.70m|
|翼面積|>|CENTER:32.0��|
|自重|CENTER:3,263kg|CENTER:3,831kg|
|全備重量|CENTER:5,050kg|CENTER:5,720kg|
|[[発動機>エンジン]]|ハ102空冷複列星型14気筒×2基|ハ112-II空冷複列星型14気筒×2基|
|[[発動機>エンジン]]|ハ102[[空冷>空冷エンジン]]複列星型14気筒×2基|ハ112-II空冷複列星型14気筒×2基|
|最高速度|CENTER:604km/h（高度5,800m）|CENTER:630km/h（高度6,000m）|
|[[航続距離]]|CENTER:2,474km|CENTER:4,000km（落下タンク装備）|
|[[航続距離]]|CENTER:2,474km|CENTER:4,000km（[[落下タンク>増槽]]装備）|
|[[上昇限度]]|CENTER:10,720m|CENTER:10,500m|
|上昇力|CENTER:11分58秒（高度8,000m）|CENTER:20分15秒（高度8,000m）|
|武装|CENTER:テ4 7.7mm旋回機関銃×1挺|CENTER:無し|
|写真機|CENTER:一〇〇式大航空写真機&br;九六式小航空写真機|CENTER:一〇〇式小航空写真機&br;一号自動航空写真機|
|無線機|>|CENTER:九九式飛二号無線機（中距離用）/九九式飛一号無線機（長距離用）|
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**バリエーション [#l5a16bc6]
-一型（キ46-I）：~
初期生産型。~
エンジンは三菱ハ26-I（公称871hp）を搭載。~
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-二型（キ46-II）：~
性能向上型。最高速度は604km/h（高度5,800m）。~
エンジンは三菱ハ102（公称1,055hp）を搭載。~
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-二型改（キ46-II改）：~
操縦席後方に教官席を追加改造した航法・無線練習機型。~
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-三型甲（キ46-III甲）：~
三菱ハ112-II（公称1350hp）発動機搭載の改良型。~
増設燃料タンクや落下タンクを装備し[[航続距離]]を拡大、さらに段なし風防を採用して完全な流線型にした。~
最大速度は630km/h（高度6,000m）を、さらに推力式単排気管への換装で約642km/hを記録した。~
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--三型乙（キ46-III乙）：~
機首にホ5 二式二十粍固定機関砲を2門装備したもの。~
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--三型乙+丙（キ46-III乙+丙）：~
機体背面にホ204 37mm機関砲を上向き砲として搭載したもの。~
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-四型（キ46-IV）：~
エンジンをハ112-IIル（[[ターボチャージャー]]付、公称1,350hp）に換装した高々度性能向上型。~
終戦により試作のみ。~
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