【ロシア戦略ロケット軍】(ろしあせんりゃくろけっとぐん)

Ракетные войска стратегического назначения(略称:РВСН)

ロシアの軍事組織のひとつで、空軍及び空挺軍と並んでロシア連邦軍を構成する軍(兵科)のひとつである。
ロシア軍における戦略核戦力の主要構成要素であり、任務は「核兵器によるロシア領土に対する侵略の抑止」ならびに「敵の軍事あるいは経済施設に対する核ミサイル打撃による撃破」である。
人員は軍人16万人および軍属5万人からなり、司令部はモスクワ郊外のオジンツォフに置かれている。

「ロケット軍」との表記がされることも多いが、宇宙関係の任務(軍事衛星の開発・運用やミサイル防衛など)は「航空宇宙軍」の担当であり、本軍の担当ではない*1

組織としては「戦略ロケット軍司令部」を筆頭に、実戦部隊(ロケット軍3個、ロケット師団11個)や軍事アカデミー、教育部隊や軍司令部直属部隊などが設置されている。
そして各ロケット師団の隷下にはロケット連隊支援兵科および後方部隊が設置され、ロケット運搬体369発・核弾頭1,247発を装備している。

関連:アメリカ戦略軍 第20空軍(アメリカ軍)

組織構成

  • 第27親衛ロケット軍(司令部:ウラジーミル)
    • 第98独立飛行隊:ウラジーミル
    • 第7親衛ロケット師団:ヴィポルゾヴォ。RT-2PM×18発
    • 第14ロケット師団:ヨシュカル・オラ。RS-24×27発
    • 第28親衛ロケット師団:コゼリスク。RS-24×15発(ミサイルサイロ)(2020年1月時点)
    • 第54親衛ロケット師団:テイコヴォ。RS-24×18発、RT-2UTTH×18発
    • 第60ロケット師団:タチシチェヴォ。UR-100N UTTH×30発、RT-2UTTH×60発

  • 第31ロケット軍(司令部:オレンブルク)
    • 第102独立飛行隊:オレンブルク
    • 第8ロケット師団;ペルヴォマイスキイ
    • 第13ロケット師団:ドムバロフスキー。R-36M2(ミサイルサイロ)×18発*2、UR-100NUTTH*3×4発(2020年12月時点)
    • 第42ロケット師団:ニジニー・タギル。RS-24×27発

  • 第33親衛ロケット軍(司令部:オムスク)
    • 第105独立飛行隊:オムスク
    • 第29親衛ロケット師団:イルクーツク、RS-24×27発
    • 第35ロケット師団:バルナウル。RT-2PM×36発、RS-24
    • 第39親衛ロケット師団:ノヴォシビルスク。RS-24×27発
    • 第62ロケット師団:ウジュル。R-36M2(ミサイルサイロ)×28発*4


*1 ロシア語においてはミサイルも(宇宙)ロケットも「ラケータ」というひとつの単語で表現される。
*2 RS-28「サルマト」に置き換え予定。
*3 「アバンガルド」超音速滑空体を装備。
*4 RS-28「サルマト」に置き換え予定。

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