【ミサイル万能論】(みさいるばんのうろん)

1950年代〜1960年代に世界的に広まった軍事思想。
「今後はミサイル技術の発達により、兵器から発射される弾の全てが誘導兵器になり、従来のガンは必要無くなる」
といった考え方である。
このため、ミサイルのみで武装し、機関砲を持たない戦闘機や、艦載砲を持たない戦闘艦が生産された。
さらには防空は全てSAMで行われるという戦闘機不要論もささやかれた。

しかし、それらの新鋭兵器が実際に戦場に出てみると「警告射撃が実施できない」「ガンに比べ弾数が少ないため、武装が逆に貧弱になってしまう」などの問題が生じた。

事実、ミサイル万能論はベトナム戦争の戦訓によって覆された。
ドッグファイトを軽視した米軍機は予期せぬ格闘戦を強いられて多大な犠牲を払ったのである。

なお、F-35JSFでは空軍型のA型を除いて機関砲を搭載せず、空対空ミサイルのみで武装する、としている。

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