【ファストロープ】 †
fastrope
垂れ下げられた綱を伝い、人間が素早く滑り降りること。
手の皮膚とロープが激しく摩擦するため、丈夫な手袋を着用する必要がある。
ホバリングするヘリコプターからおこなうことにより、空挺降下や捜索救難などに応用される。
空挺降下の場合は、落下傘降下に比べて狙った場所へ正確に素早く降下できるメリットがある。
また、ラペリングに比べて短時間で実施できるため、敵前での強襲に適する。
捜索救難の場合はヘリコプターが着陸できない場所でも、パラジャンパーを先に下ろして遭難者を助け出し、後からホイストで引き上げることができる。
反面、ラペリングと違って安全環(カラビナ)を使わず、手足だけで体を支えるため、手を離すと即転落事故につながる危険性がある。
またヘリコプターをホバリングさせる必要があるため、戦場では敵の標的になりやすく、被撃墜の危険がつきまとう。
ホバリングの時間はラペリングの場合に比べれば短いものの、ファストロープが必要とされる作戦においては、それだけでも危険といえる。
敵に反撃の隙を与えない迅速な行動や、味方の支援などが重要となる。
また、救難任務においてはファストロープよりも、確実性を重視したラペリングのほうが一般的である。