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【トップガン】 †
概要 | |
創設 | 1969年 |
所属国 | アメリカ合衆国 |
部隊編制単位 | 学校 |
兵種、任務、特性 | アドバーサリー |
上級部隊 | NSAWC(海軍打撃・航空作戦センター) |
所在地 | ファロン航空基地(ネバダ州) |
Naval Fighter Weapons School: NFWS (海軍戦闘機兵器学校)
アメリカ海軍航空隊のアドバーサリー飛行隊。ネバダ州ファロン海軍航空基地をベースとしている。
前述の通り正式な略称はNFWSだが、一種の敬称として「トップガン」と呼ばれる事の方が多い。
主任務は海軍航空隊における空中戦技術の維持・向上。
海軍航空隊の戦闘機エビエーターから、特に技量に優れた人材*1を招集して、高度な空中戦技術の訓練を行う。
そしてこの訓練を終えた卒業生は原隊に戻るか「機種転換部隊」へ配属され、同僚に対して技術の教導を行う。
発足当初は、カリフォルニア州サンディエゴにあるミラマー海軍航空基地*2をベースとしていたが、1996年にNSWC(海軍打撃作戦センター)の傘下に組み込まれ、同センター傘下のNSAWC(Naval Strike and Air Warfare Center:海軍攻撃・航空作戦センター)の一部門として活動を続けている。
一般には映画「トップガン(1986)」の題材になった事で有名。
というより、映画の知名度によってのみ有名になっている。
言葉としては有名だが、NFWSの部隊としての実態はほとんど知られていない。
現代で「トップガン」と言えば、それは単に精鋭のパイロットを指す慣用表現である事が多い。
関連:ランダル・H・カニンガム ベストガイ アグレッサー 飛行教導群
設立の経緯 †
朝鮮戦争当時、アメリカ軍戦闘機のキルレシオは12:1であった。
しかしこれが、ベトナム戦争の初期には3:1にまで激減した。
原因は大きく分けて二つある。
一つは、第二次世界大戦を経験した精鋭パイロットが世代交代して現役を退いた事。
もう一つは、ミサイル万能論を信じてドッグファイトを軽視する戦術思想を採用した*3事である。
この調査結果を受け、失われた空中戦技術の再習得を目的として設立されたのがトップガンである。
事実、教導修了者が各自の原隊に復帰した後、ベトナム戦争末期にはキルレシオが再び12:1まで回復している。
使用機 †
- F/A-18A/B
- F-16A/B/N
当初はアドバーサリー専用機としてN型*4を導入したが、主翼に欠陥*5が見つかったため1995年に使用停止、廃棄された。
その後、パキスタン向けに製造されたが輸出がキャンセルされたA/B型を導入して用いている。 - F-5E/F/N/T-38
当初はMiG-21の飛行特性をシミュレートするアドバーサリーとして導入。
近年はスイス空軍から退役したE型(スイスでライセンス生産されたもの)を購入・レストアしてF-5Nとして用いている。 - F-14
F/A-18と共に主力として活躍したが、2003年に退役。 - A-4
MiG-17の飛行特性をシミュレートするアドバーサリーとして用いられていた。
*1 入校資格者は海軍の全エビエーター中で1%という。
*2 現在は海兵隊の航空基地となり、第3海兵航空団が拠点としている。
*3 機関砲の装備さえ省かれた戦闘機が運用されていたため、MiG-17やMiG-21といった旧世代機の機関砲で撃墜される有様だった。
*4 F-16C/DのBlock 30前期型に相当する機体。
*5 空軍の基準では問題とならなかったが、海軍の基準では問題とされたクラック。