【ゼロ距離発進】(ぜろきょりはっしん)

ZEro Length Launch (ZELL)
RATOなどの方法により、航空機をガイドレールから射出されるように離陸させること。
滑走路が無くても迅速に発進できる利点があり、有事に敵航空部隊の急襲を受けた際の対応に向くと考えられていた。

冷戦期に最前線であった旧西ドイツでは、空軍F-104戦闘機を用いてゼロ距離発進の試験を実施していたが、実用化はされずに終わっている。

当時、西ドイツ国防軍では「一朝有事の際、敵航空部隊(ソ連・東ドイツなどのワルシャワ条約機構各国軍)の先制攻撃が自軍の航空基地に向かう」ものと考え、滑走路を破壊されても反撃ができるように、としてZELLを試行していた。
しかし、この方法によって発進した機体が任務を果たして帰還しようとしても、滑走路が破壊されている可能性が極めて高く、搭乗員は事実上特攻に近い飛行を余儀なくされる。
結局「この方法でどれほど有効な反撃ができるのか」という問題点が解決できず、実用化は見送られた。


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