*&ruby(ずーむじょうしょう){【ズーム上昇】}; [#g7c0f29b] [[飛行機]]が一時的に機体本来の[[上昇限度]]を越えた[[高度]]まで上昇するための[[マニューバー]]。~ 多大な[[推力]]が要求される関係上、基本的に[[アフターバーナー]]を持つ[[戦闘機]]でのみ行われる。 試みる際はまず最大速度まで加速し、そのまま機首を上に向けて上昇を始める。~ これによって急激に減速していくものの、勢いに任せて一時的に[[上昇限度]]を越える事ができる。~ ただし、[[上昇限度]]を越えているため、そのまま高度を維持する事ができない。~ 弾丸を斜め上に撃ち上げたようなもので、頂点に達した後はすぐに[[失速]]同然の状態で降下し始める。 >実際には、「高度を維持できない」を通り越して恐怖に満ちた異常事態が待っているようだ。~ [[エンジン]]は静まり、[[操縦桿]]は手応えがなく、気圧は低く、風音もなくなるという。~ 気温に至っては-50℃を下回り、完全与圧の宇宙服でなければ到底耐えられるものではない。 この危険な行為により、[[上昇限度]]を越えた高度から攻撃を行うチャンスを一度だけ得られる。~ しかし実際の所、そのような危険を犯すに値するような[[戦術]]は今のところ実施されていない。 とはいえ、[[上昇限度]]を越えない場合でも急上昇が必要なら有効な技術である。~ [[戦闘機]]の[[スクランブル]]に際し、[[アフターバーナー]]を炊いてズーム上昇を行う事は多い。