【グローバルエクスプレス】(ぐろーばるえくすぷれす)

Bombardier Global Express BD-700.

カナダのボンバルディア社が1990年代に開発した大型ビジネス機
同社のビジネス機では最上位モデルであり、ボーイングビジネスジェットエアバス・コーポレート・ジェットなどとの競合を狙って開発された。
そのため、「航続距離の長さとスピードの両立」「STOL性」「(ビジネス機としては)最大級のキャビン」「旅客機並の信頼性」の四つが設計で重視された。

航続距離は11,000km以上あり、地球の裏側へも一回の燃料補給で到達可能である。

生産は以下の会社が役割を分担している。

  • カナディア:機体先端部
  • ショート・ブラザース:胴体前部と水平安定板
  • デ・ハビランド:胴体後部や垂直安定板
  • 三菱重工業:胴体中央部と主翼・中央翼
  • ロールス・ロイス:エンジン

初代から5種類の派生型が生産されており、現在はグローバル5000・5500・6000・6500の4種類が生産・販売されている。
また、2018年からは上位モデルのグローバル7500が販売されている。

軍用機としても用いられており、英国空軍に「センチネルR1」、アメリカ空軍に「E-11A」として採用されている。
また、ドイツ空軍では政府専用機として用いられている。

日本では国土交通省航空局が2機を導入し、飛行検査機として用いていた*1が、2017年に退役、アメリカに売却されている。

派生型

  • センチネルR1:
    イギリス空軍向け地上監視機型。
    前部胴体下部にレーダーを、上部に衛星通信装置を備える。

  • E-11:
    アメリカのノースロップ・グラマンが開発した戦域通信中継機(BACN)。
    2008年からアフガニスタンなどで用いられた。

  • グローバルアイ:
    サーブ社がグローバル6000をベースに開発中の多用途監視機型。


*1 本シリーズ中、軍用以外の特殊用途に改装された最初の機体でもあった。

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