【クレイモア】(くれいもあ)

M18 Claymore

アメリカ陸軍が開発した地雷
命名の由来はゲール語(スコットランド)で「大剣」を意味する「Claidhemoha-mor(クラゼヴォ・モル)」のイングランド訛り*1
地雷としては特異な設計思想から、「ブロードソードマイン」「特殊指向性対人地雷」「指向性散弾」などと分類される場合もある。

開発の契機は朝鮮戦争
人的資源が安価な人民解放軍との交戦を経て、人海戦術に対する防御戦闘のコストを低減する目的で開発された。
後に改良型のM18A1がベトナム戦争に投入され、現在に至るまで用いられ続けている。

形状は平たい金属缶で、地雷としては珍しく埋設せず露出したまま用い、市街地や森林などの死角に設置する。
内部には0.7kgのC4爆薬と直径1.2mmの鋼球700個を内蔵し、罠線*2またはリモコン操作によって起爆。
起爆点から前方60°の範囲にショットシェルのごとく鋼球を撒き散らす。有効射程は約100m、最大射程は約250m。
敵が50m以内のキルコーンに密集する理想的状況であれば、1個で歩兵一個小隊を全滅せしめる。

なお、機械としてのメカニズムは特に複雑なものではないため、手工業で製作された類似品のIEDも散見される。

諸元

高さ約8.3cm
約21.6cm
奥行き約3.5cm
重量約1.6kg



*1 スコットランド人は傭兵を輩出した国の一つであり、彼らの用いた刀剣のデザインは「クレイモア様式」として近世ヨーロッパで広く流行した。
*2 罠線を利用する場合はオタワ条約?による規制対象となるため、陸上自衛隊などでは手動で使用している。

トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS