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【アーレイ・バーク】 †
- Arleigh Albert Burke
アメリカ海軍の提督。1901年10月19日生。
太平洋戦争では、セント・ジョージ岬沖海戦でアメリカ艦隊(駆逐艦5隻)を率いて日本軍のブカ島への輸送部隊(駆逐艦5隻)と戦い撃沈3・被撃沈ゼロを記録するなど、多くの戦果を残した。
当時30ノットでしか艦隊行動できなかった駆逐艦隊から「31ノットで航行中」と打電したことから、「31ノット・バーク」とあだ名された。
これは自艦隊や、援護していた艦船などの乗員達を鼓舞するためだったといわれる。
戦中は日本を憎んでいたが*1、戦後にふとしたきっかけで旧日本海軍の将官らと交流して理解を深める。海上自衛隊の設立に尽力し、その功績から日本政府より1961年に勲一等旭日大綬章を授与される。
戦争によって多くの勲章を授与されたバークだったが、墓にはそれらの勲章ではなく、日本からの勲章を一緒に収めてくれと希望した。
1996年1月1日没。享年94。*2
- DDG-51 USS Arleigh Burke
アメリカ海軍のミサイル駆逐艦。
タイコンデロガ級の後継として開発され、アメリカ海軍の主力防空艦として現在も同型艦の建造が続いているイージス艦である。
RIM-66を、同時に12〜24機(諸説あり)の空中目標へ誘導できるといわれる。
アメリカ軍は多数の艦艇を持つため防空艦も多数必要とされるが、タイコンデロガ級の調達価格が10億ドルと高騰したのを受け、航続距離と迎撃能力を犠牲にしてコストダウンを図ったのが本型である。
(とはいえ後年の高機能化と物価上昇により、ふたたび調達価格が10億ドルに達したといわれている)
本型はタイコンデロガ級と異なり、イージスシステムを搭載することを念頭に設計された。
まずSPY-1Dフェイズドアレイレーダーを艦橋の四隅に配し、その障害にならないように煙突などの上部構造物が配置された結果、無駄の少ない構造を実現した。
またレーダー反射面積を低減する工夫もなされた。
上部構造物の壁面を斜めにすること、垂直発射システムが当初から採用されたこと、マストの外観が三角柱型になったこと、艦腹部の甲板が覆われたことなどが挙げられる。
1番艦「アーレイ・バーク」は1991年の7月4日?に就役し、その後50隻以上の同型艦が建造されている。
それらは大きく分けて3種類に分類される。
初期型のフライト1は満載排水量8,315トン。
続くフライト2は航続能力や索敵能力を強化した型で満載排水量8,400トン。
さらに現在建造がすすめられているフライト2Aは、搭載を断念したはずのヘリ格納庫を復活させSH-60Bを2機運用する能力を持ち、満載排水量は9,200トンに至った。これは対潜任務のみならず、対地任務の支援まで視野に入れた措置といわれる。
近年の艦では重量増加の対策として、対艦専用のハープーンを標準装備から外したり、CIWSを廃止して近接防御をESSMに担当させるなどの措置をとっている。
主な武装:
- Mk.45 54口径5インチ速射砲: 1門(DDG-51〜DDG-80)
- Mk.45 mod.4 62口径5インチ速射砲: 1門(DDG-81〜)
- Mk.41 垂直発射システム: 90セル(DDG-51〜DDG-78)/96セル(DDG-79〜)(RIM-66、RUM-139、BGM-109を装備、将来的にRIM-162も導入)
- 艦対艦ミサイル用キャニスター: 最大4本*2組(DDG-51〜DDG-78)(RGM-84を装備)
- Mk.46 3連装短魚雷(対潜魚雷)発射管: 2組
- Mk.15 ファランクス: 2門(DDG-51〜DDG-84)
- Mk.38 25mmチェーンガン: 2門
- 12.7mm機関銃: 4挺
同型艦:
- フライト1
- DDG-51 USS Arleigh Burke
- DDG-52 USS Barry
- DDG-53 USS John Paul Jones
- DDG-54 USS Curtis Willbur
- DDG-55 USS Stout
- DDG-56 USS John S. McCain?
- DDG-57 USS Mitscher
- DDG-58 USS Laboon
- DDG-59 USS Russell
- DDG-60 USS Paul Hamilton
- DDG-61 USS Ramage
- DDG-62 USS Fitzgerald
- DDG-63 USS Stethem
- DDG-64 USS Camey
- DDG-65 USS Benfold
- DDG-66 USS Gonzalez
- DDG-67 USS Cole
- DDG-68 USS The Sullivans
- DDG-69 USS Milius
- DDG-70 USS Hopper
- DDG-71 USS Ross
- フライト2
- DDG-72 USS Mahan
- DDG-73 USS Decatur
- DDG-74 USS MaFaul?
- DDG-75 USS Donald Cook
- DDG-76 USS Higgins
- DDG-77 USS O'Kane
- DDG-78 USS Porter
- フライト2A
- DDG-79 USS Oscar Austin
- DDG-80 USS Roosevelt
- DDG-81 USS Winston S. Churchill
- DDG-82 USS Lassen
- DDG-83 USS Howard
- DDG-84 USS Burkeley
- DDG-85 USS McCampbell?
- DDG-86 USS Shoup
- DDG-87 USS Mason
- DDG-88 USS Preble
- DDG-89 USS Mustin
- DDG-90 USS Chafee
- DDG-91 USS Pinckney
- DDG-92 USS Momsen
- DDG-93 USS Chung-Hoon
- DDG-94 USS Nitze
- DDG-95 USS James E. Williams
- DDG-96 USS Bainbridge
- DDG-97 USS Halsey
- DDG-98 USS Forrest Sherman
- DDG-99 USS Farragut
- DDG-100 USS Kidd
- DDG-101 USS Gridley
- DDG-102 USS Sampson
- DDG-103 USS Truxtun(艤装中)
- DDG-104 USS Sterett
- DDG-105 USS Dewey(艤装中)
- DDG-106 USS Stockdale(建造中)
- DDG-107 USS Gravely(建造中)
- DDG-108 USS Wayne E. Meyer(建造中)
- DDG-109 USS Jason Dunham(建造中)
- DDG-110 USS William P. Lawrence(建造中)
- DDG-111 USS Spruance(建造中)
- DDG-112 USS Michael Murphy(建造中)
関連:こんごう
*1 終戦後も暫くはかつての敵であった日本人に対し否定的な感情を持っていた。
*2 葬儀の際、世界じゅうで航行していたバーク級駆逐艦の全てが1分間、速力31ノットで航行して追悼した、というエピソードがある。