【たちかぜ】(たちかぜ)

海上自衛隊の「あまつかぜ?」に続く第2世代型のミサイル護衛艦である。「たちかぜ」「あさかぜ」「さわかぜ」の3艦が建造された。

基本的な設計は「あまつかぜ」に類似しているが、艦体は大型化し、どちらかというと「たかつき?」を大型化したような印象を受ける。一方で、艦隊防空を担うためターター?・D・ミサイルシステムを搭載し、後甲板にMk-13単装発射機を備える。また、当初はRIM-24のみしか発射できなかったものをのちにSM-1MR(RIM-66)やハープーン(RGM-84)の発射が可能となった。

主砲については、73式54口径5インチ砲を採用しており、射撃指揮装置には「たちかぜ」「あさかぜ」がFCS-1?、「さわかぜ」のみがFCS-2を搭載しており、ターターシステムで主砲の管制を行う米海軍とは異なる。

このようにターター・Dシステムをはじめとした高度なコンピューターを備えるのは本艦からであり、戦術情報処理装置が始めて装備された。特に「さわかぜ」では始めて戦闘を統括するCDSOYQ-4を採用して、全体としてのシステムの高速化が図られた。

現在、本級は全艦退役しており、「たちかぜ」がイージス艦あたご」に、「あさかぜ」が「あしがら」に交代された。また、「たちかぜ」「さわかぜ」については一時期艦隊旗艦を務めていた時期がある。


【性能諸元】

艦種ミサイル護衛艦(DDG)
全長143m
全幅14.3m
吃水4.65m
排水量
基準/満載
3,850t/5,200t(予想)
機関蒸気タービン2軸推進
三菱重工 船用2胴衝動式タービンエンジン×4基
三菱長崎CE2胴水管型ボイラー
機関出力60,000ps
速力32ノット以上
乗員277人
兵装73式54口径5インチ(127mm)単装速射砲×1門
74式アスロックSUM8連装発射機
Mk.13mod3単装発射機1基(「たちかぜ」のみ)
Mk.13mod4GMLS1基(RIM-66RGM-84を発射可能)
HOS-3013連装324mm短魚雷(対潜魚雷)発射管×2基
高性能20mm機関砲CIWS)×2基
艦載機SH-60J/K哨戒ヘリコプター×1機(常時搭載機なし)
C4IシステムMOFシステム
OYQ-1(たちかぜ)OYQ-2(あさかぜ)OYQ-4(さわかぜ)
+S FCS-6A 水中攻撃指揮装置+リンク 11/14
FCSMk74mod.13 ミサイルFCS×2基
FCS-1?72式射撃指揮装置
FCS-281式射撃指揮装置砲FCS
レーダーSPS-52 三次元対空レーダー&OPS-18B対空レーダー
OPS-17/OPS-28(さわかぜ)対水上レーダー
OPS-20航海レーダー
ソナーOQS-3/OQS-4(さわかぜ)艦首装備ソナー
電子戦・
対抗手段
NOLR-6 ESM OLT-3ECM
NOLQ-1統合電子戦装置(さわかぜ)
Mk36 SRBOC 対抗手段展開システム(Mk.137 チャフフレア発射機×4基)


・同型艦

艦番号艦名主造船所起工進水就役退役所属
DDG-168たちかぜ
(JS Tatikaze)
三菱重工業
長崎造船所
1973.6.191974.12.171976.3.252007.1.15第3護衛隊群第3護衛隊
(舞鶴基地)
DDG-169あさかぜ
(JS Asakaze)
三菱重工業
長崎造船所
1976.5.271977.10.151979.3.272008.3.12第2護衛隊群第2護衛隊
(佐世保基地)
DDG-170さわかぜ
(JS Sawakaze)
三菱重工業
長崎造船所
1979.9.141981.6.141983.3.302010.6.25第2護衛隊群第62護衛隊
(佐世保基地)

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