*&ruby(きかんほう){【機関砲】}; [#s1fd764e]
Auto cannon.~
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手動での装填作業を行わずに連続発射が可能で、人が携帯できない大型の[[火砲>ガン]]の事。~
[[NATO>北大西洋条約機構]]では[[口径]]20mm以上((機関砲は大口径であるほど[[費用対効果>コスト・パフォーマンス]]・稼動率・携行弾数に劣る傾向にあり、また1発で撃破できる状況で連射する必要はないため、[[口径]]60mm以上のものはまず見られない。))を機関砲、それ未満を[[機関銃(machine gun)>機関銃]]として区別する。~
もちろん、国や時代によって正確な定義は異なる。~
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[[航空機]]、車両、[[艦艇]]に搭載される最も一般的な武装であり、陸海空のあらゆる戦場で幅広く使用される。~
しかしながら戦果の主体とは言い難く、基本的に防御・迎撃のために用いられる。~
また、[[装甲]]化されていない家屋や車両を破壊する手段として用いられる事もある。~
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関連:[[ガトリングガン]] [[チェーンガン]] [[リボルバーカノン]] [[近接信管]]

**航空機搭載機関砲 [#vca323b0]
現代の[[戦闘機]]は、[[ドッグファイト]]に備えて機関砲を標準装備する。~
この用途で使用される弾薬は、[[口径]]20mm〜30mmの[[徹甲弾]]が普通である。~
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航空戦の黎明期では[[拳銃]]や[[軽機関銃]]でも航空機を[[撃墜]]可能であった。~
しかし、[[対応防御]]思想による[[装甲]]の強化に応じて大口径化、[[空対空ミサイル]]の登場をもって現状に落ち着いた。~
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また、[[攻撃機]]や[[攻撃ヘリコプター]]に搭載されるものでは、対地攻撃用に30mm程度の[[榴弾]]・[[焼夷弾]]が用いられる。~

**車載機関砲 [#le23aff7]
[[歩兵戦闘車]]や[[機甲部隊]]車両の機関砲は、軽装甲車両を標的として20mm〜35mm程度の[[徹甲弾]]を発射する。~
対人制圧用途では小口径の[[機関銃]]がよく用いられる。~
大口径機関砲は人が持てないほど重いので、隠れていた[[歩兵]]の方に素早く振り向いて射殺するには向かない。

>[[口径]]12.7mm以上の弾丸は[[ハーグ陸戦条約]]の定める「不用に苦痛を与える兵器」に該当する、とされる。~
つまり「他に攻撃手段がないとき以外は人に向けて撃ってはならない」としている。~
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とはいえ、この条文はほぼあらゆる場面で黙殺されている。~
もっと他に攻撃手段があったなら、そもそも鈍重な機関砲をあえて選んだはずがない。~
逆に言えば、撃ったからにはそれが最適な攻撃手段だったのだと考えられる。

対空車両では、35mm〜57mm程度の[[榴弾]]や[[焼夷弾]]を[[近接信管]]で炸裂させ、高速で飛翔する[[航空機]]を撃破する。~
また、近年の[[対空機関砲>高射砲]]は、[[徹甲弾]]を直撃させるほどの高度な[[火器管制装置]]を備えた物も登場している。~

**艦載機関砲 [#d4c8d3ab]
[[戦闘艦艇>戦闘艦]]では、[[攻撃機]]や[[ミサイル]]の[[撃墜]]を目的とした20〜30mm程度の機関砲、通称[[CIWS]]を主に用いる。~
非戦闘用途の支援艦艇や[[沿岸警備隊]]の警備船舶などは、突発的な危機に備えて機関砲を装備する。~
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[[ミサイル]]の普及以前では、25mm〜40mmの対空機関砲を多数用いて弾幕を張る事がよく行われていた。~
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また、[[機雷]]を除去する掃海作業では、水中から引き上げられた[[機雷]]に機関砲を撃ち込んで爆破処理を行う。

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