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*&ruby(ぽりごなるらいふる){【ポリゴナルライフル】}; [#z5615b96]
[[ライフリング]]の一種で、銃身断面の内部が多角形型をしているもの。~
本来は&ruby(ポリゴナルライフリング){Polygonal rifling};と言うが、日本では項目名の略称で呼ばれることも多い。~
&ruby(ポリゴナルライフリング){Polygonal rifling};

[[ライフリング]]の一種で、銃身の内側がねじれた多角形になるように形成するもの。~
一般的な[[ライフリング]]とは違い、銃身内に溝を彫る事はない。~
~
一般的なエンフィールド型ライフリングに比べて、細かく奥まった部分がないため製造コストが安く保守も容易で、命中精度も優れるとされる。~
しかし奥まった部分がないため汚れが付着しやすく、頻繁な清掃を必要とする。特に[[リード弾]]の使用は厳禁である。~
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[[ヘックラー・ウント・コッホ>ヘッケラー&コッホ]]の[[Mk.23]]や[[G41]]に採用されたが、いずれの銃も採用は極少数にとどまっている((ポリゴナルライフルの製造コストは安いが、これらの銃全体の価格は高価である。))。~
溝がないぶん摩擦や衝撃に対して強靱で、[[砲身命数]]が長く、[[装薬]]が異常燃焼を起こした時も破損しにくい。~
隙間が小さく発射ガスが漏れにくいため[[初活力]]が高く[[有効射程]]も延長される。

> 世界初の[[狙撃銃]]であるウィットワース銃に採用され、アメリカ南北戦争では南軍の[[狙撃手]]の手で猛威を振るった。

反面、溝がないぶん煤汚れや金属粉が弾道特性に影響を与えやすく、比較的頻繁に清掃が必要になる。~
弾頭との接触面積が広いため弾丸を旋回させる力が弱く、特に大[[口径]]の弾頭ではほとんど旋回しなくなる。~
このため、[[野戦砲]]のような重火器では採用されない。

また、製造コストの面で通常の[[ライフリング]]に大きく劣っていて、この点で[[ライフリング]]の主流には至らずにいる。~
技術自体は19世紀の発明で、当時の冶金技術では多大な製造コストを必要とするため20世紀中盤まで省みられずにいた。~
現代では冷間鍛造による大量生産により、理論上は通常の[[ライフリング]]よりも安価に製造できる。~

> ただし、冷間鍛造には多額の設備投資が必要で、高い[[稼働率]]を維持しなければ初期投資を回収できない。~
そして、ほとんどの銃火器製造業者は長期にわたる大量生産を必要とするほど需要に恵まれていない。


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