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*&ruby(ぜっとえすゆーにじゅうさんよん){【ZSU-23-4】}; [#z30ad787]
ソビエトの開発した自走式[[AAA]]。~
[[NATOコード]]は『シルカ』((ソ連では防空兵器には河川名に由来する愛称をつける(ツングースカ、ネヴァー、ガーンク(ガンジス川)など、一部例外あり)。同様に、自走砲には花に由来する名称をつける。例)グヴォズージカ(カーネーション)、アカーツィヤ(アカシヤ)、ギァツィント(ヒヤシンス)など))、ZSUとは「Zenitnaya Samokhodnaya Ustanovka」の略であり『自走高射装置』という意味である。~
&ruby(Zenitnaya){Зенитная}; &ruby(Samokhodnaya){Самоходная}; &ruby(Ustanovka){Установка}; 23-4

ソビエトの開発した自走式[[対空>AAA]][[機関砲]]。~
[[愛称]]は『シルカ』。防空兵器に河川名を用いるソ連の命名規則に従い、アムール川水系のシルカ川から命名された。~
正式名称は『自走高射装置』の意で、末尾の数字は23mm[[機関砲]]を4門搭載している事を示す。

砲身の冷却機構に欠陥があり、砲身や[[火器管制装置]]の故障が多発した。~
4門同時に射撃すると砲身焼損を避けられないため、緊急時以外は1門か2問のみ用いて射撃された。~
この理由から[[機甲部隊]]の最前線への投入は忌避され、部隊後方に配置される事が多かった。

[[2K12「クープ」>SA-6]]や[[9K31「ストレラ-1」>SA-9]]などの[[地対空ミサイル]]を潜り抜けた機体を近距離から仕留める運用が想定される。~
[[第4次中東戦争>中東戦争]]で実戦投入され、低空侵入したイスラエル国防軍機を多数撃墜している。~
また、[[アフガニスタン紛争]]では輸送部隊の護衛に付き、山岳からの[[アンブッシュ]]を迎撃した。

後継として[[2K22(2S6)「ツングースカ」>2S6]]が開発されたが、置換は進んでおらず、現在でも現役。~
また、イラクなどの中東諸国やアフリカ、北朝鮮などに輸出され運用されている。~
~
ソ連最初の自走式高射機関砲[[ZSU-57-2]]の後継として、PT-76水陸両用戦車のシャーシを流用して開発された。~
後に付く数字の通りRPK-2「ヴィユーガ([[NATOコード]]:B-76「ガンディッシュ」)」[[レーダー]]にリンクしたAZP-85 液冷式23mm機関砲を4門束ねており、ソビエトの兵器らしく名は体を表している。~
また、追加兵装として、[[9K38「イグラ」>SA-18]]6基又は側面に[[9K310「イグラ-1」>SA-16]]を装備できた。~
~
しかし、砲身冷却システムには欠陥があり、砲身のオーバーヒートとシステムダウンを防ぐため、射撃時には1門または2門ずつの交互射撃が標準であり、4門全部射撃するのは緊急時限定であった。~
また、冷却不十分のまま射撃すると砲身が焼損するかそのまま弾切れになるまで砲弾が発射される「コックオフ」がしばしば発生した。~
砲身が焼損した場合は機関砲を交換で済めばいい方で、重篤なケースでは熱によって砲身が溶解したり、砲が完全に壊れて修理不能になる事も多かった。~
そうしたことから、実際には[[機甲部隊]]に近接随伴した形では無く、部隊後方1km程に位置する事が多かった。~
~
実戦では、[[第4次中東戦争>中東戦争]]で[[地対空ミサイル]]と組み合わせて構成され、[[2K12「クープ」>SA-6]]や[[9K31「ストレラ-1」>SA-9]]の攻撃を避けて低空侵入したイスラエル国防軍機を多数撃墜した。~
また、[[ソヴィエト・アフガン戦争>アフガニスタン紛争(1979年)]]では輸送部隊の車列の護衛に付き、仰角を大きく取ることができるという性質を利用し、山の上から攻撃するアフガンゲリラ(ムジャーヒディーン)に対して攻撃を行った。~
~
本車の後継として[[2K22(2S6)「ツングースカ」>2S6]]が開発されたが、価格の高騰などで配備は進んでおらず、ロシアでは現在でも現役で使用しており、その他にもイラクなどの中東諸国やアフリカ、北朝鮮などに輸出され運用されている。~
~
#ref(http://www.masdf.com/altimeter/duxford/IMG_5425.jpg,600x400);
~
**スペックデータ [#kb50f796]
|乗員|4名|
|全長|6.53m|
|全高|3.57m([[レーダー]]起立時)|
|全幅|3.12|
|戦闘重量|20.5t|
|懸架・駆動方式|トーションバー|
|[[エンジン]]|V-6R[[ディーゼルエンジン]](出力280hp)|
|登坂力|60%|
|超堤高|1.1m|
|超壕幅|2.8m|
|最大速度|65km/h(路上)|
|[[行動距離>航続距離]]|550km|
|[[装甲]]|15mm(車体前面)/9.2mm([[砲塔]]前面)|
|兵装|AZP-23 23mm[[機関砲]]×4門(弾数2,000発)|
~
|[[レーダー]]|RPK-2「ヴィユーガ」([[NATOコード]]:B-76「ガンディッシュ」)|
|兵装|AZP-23 液冷式23mm[[機関砲]]×4門(弾数2,000発)&br();[[9K38「イグラ」>SA-18]]6基、または[[9K310「イグラ-1」>SA-16]]|

**バリエーション [#g4d1f98a]
-ZSU-23-4:~
1964年に開発された初期量産型。~
量産型とは砲塔前面部の形状が異なる。~
~
-ZSU-23-4V:~
1968年に開発された量産型。~
:ZSU-23-4|1964年に開発された初期量産型。~
量産型とは砲塔前面部の形状が異なる。

:ZSU-23-4V|1968年の量産型。~
電子機器の冷却システムと車内換気システムを改良し、車長用光学照準器を装備している。~
--ZSU-23-4V1:~
1972年に開発された発展型。~

:ZSU-23-4V1|1972年の発展型。~
[[射撃管制装置>火器管制装置]]と[[エンジン]]を更新している。~
~
-ZSU-23-4M:~
1977年に開発された発展型。~
レーダーをRPK-2「トーボル」から「ヴィユーガ」に換装し、[[射撃管制装置>火器管制装置]]をデジタルコンピューター化、銃身のための追加[[装甲]]、1〜3個の[[砲塔]]外付け式弾薬庫により個別に作戦行動を取れるようになった。~
--ZSU-23-4MZ:~
1977年に開発された[[IFF>敵味方識別装置]]を搭載した部分改良型。~
既存のM型も順次この型に改良されている。~
--ZSU-23-4M2:~
1987年に開発された近距離戦闘能力を重視した改良型。~
アフガン紛争で対[[ゲリラ戦]]用途に活用されたため、「アフガン型」と呼ばれる。~
レーダーとレーダー火器管制装置を撤去し((代わりに 1RL133"Credo"地上監視用レーダーのマウントが砲塔右前面に設置されている。))、戦車用の夜間暗視装置を搭載している。~
電子装置の搭載スペースは弾薬庫に変更され、搭載弾数は2,000発から4,000発に増加した。~
--ZSU-23-4M4:~
1999年より生産されている近代化改修型。
各部の駆動装置を油圧式に改良し、センサーと射撃管制装置を近代化、近距離地対空ミサイルの連装発射機2基を砲塔上に搭載している。~
~
-ZSU-23-4M5:~
ベラルーシで開発された改良型。~
センサーと射撃管制装置が近代化され、砲塔後部左右に近距離地対空ミサイルの3連装発射機を搭載している。~
~
-ZSU-23-4MP Biala:~
ポーランドで開発された改良型。~
射撃統制装置と照準装置を改良し、砲塔上右側に国産の「グロム((Grom:雷の意。))」[[地対空ミサイル]]の連装発射機2基を搭載している。~
~
-ZRAK((ウクライナ語で防空ロケット(ミサイル)−砲システムの略。)) ドネーツィ:~
1999年にウクライナで開発された後継型。~
[[T-80UD>T-80]]のシャーシにZSU-23-4の[[砲塔]]を搭載、[[ストレラ-10>SA-13]][[携行SAM>地対空ミサイル]]の連装発射機を装備した。~
~
-4M4:~
ウクライナで開発された改良型。~
~
-4M5:~
ベラルーシで開発された改良型。~
~
-M1993:~
北朝鮮で開発された改良型。機関砲を30mm連装機関砲に換装した。~
M1993は仮称で正式名称は不明。~
~

:ZSU-23-4M:|1977年の発展型。~
レーダーをRPK-2「トーボル」から「ヴィユーガ」に換装、[[火器管制装置]]をデジタル化。~
銃身に追加[[装甲]]を施された。~
1〜3個の[[砲塔]]外付け式弾薬庫により個別に作戦行動を取れるようになった。~

:ZSU-23-4MZ|1977年の部分改良型。~
[[IFF>敵味方識別装置]]を搭載。既存のM型も順次この型に改良されている。~

:ZSU-23-4M2|1987年の近接戦闘モデル。~
アフガン紛争で対[[ゲリラ戦]]用途に投入された、通称「アフガン型」。~
[[レーダー]]が撤去されて弾薬庫に換装され、搭載弾数は2,000発から4,000発に増加。~
戦車用の暗視装置を搭載した他、1RL133『Credo』地上監視用レーダーのマウントを砲塔右前面に設置。

:ZSU-23-4M4|1999年の近代化改修型。~
駆動部を[[油圧ポンプ]]式に改良し、センサーと射撃管制装置を近代化。~
近距離[[地対空ミサイル]]2基を砲塔上に搭載している。

:ZSU-23-4M5|ベラルーシで開発された改良型。~
センサーと[[火器管制装置]]が近代化。~
され、[[砲塔]]後部左右に近距離[[地対空ミサイル]]3基を搭載している。

:ZSU-23-4MP Biala|ポーランドで開発された改良型。~
[[火器管制装置]]と照準装置を改良。~
[[砲塔]]上右側に国産の「グロム((Grom:雷の意。))」[[地対空ミサイル]]2基を搭載。

:ZRAK((ウクライナ語で防空ロケット(ミサイル)−砲システムの略。)) ドネーツィ|1999年にウクライナで開発された後継型。~
[[T-80UD>T-80]]のシャーシにZSU-23-4の[[砲塔]]を搭載、[[ストレラ-10>SA-13]][[携行SAM>地対空ミサイル]]の連装発射機を装備した。

:4M4|ウクライナで開発された改良型。

:4M5|ベラルーシで開発された改良型。

:M1993(仮称、正式名称不明)|北朝鮮で開発された改良型。[[機関砲]]を30mm連装機関砲に換装した。


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