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*&ruby(あーるあいえむなな){【RIM-7】}; [#ye1945aa]
RIM-7 &ruby(シースパロー){Sea Sparrow};~
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アメリカが[[AIM-7「スパロー」>AIM-7]]をベースに開発した、個艦防衛用の短距離[[艦対空ミサイル]]。~
1967年にエジプト海軍の[[コマール]]型[[ミサイル艇>ミサイル艦]]が発射したソ連製の[[P-15「テルミート」(SS-N-2「スティクス」)>SS-N-2]][[対艦ミサイル]]でイスラエルの[[駆逐艦]]「[[エイラート]]」が撃沈された「エイラート事件」をきっかけに、[[ソ連軍]]の[[対艦ミサイル]]に脅威を感じた[[アメリカ海軍]]が、既存の[[空対空ミサイル]]をもとに急遽配備したという経緯がある。~
アメリカが[[AIM-7「スパロー」>AIM-7]][[空対空ミサイル]]をベースに開発した短距離[[艦対空ミサイル]]。~
1967年の「エイラート事件」を契機に早急な[[対艦ミサイル]]対策が必要になったため、急遽転用された経緯がある。~
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初期型のRIM-7Eは[[AIM-7E>AIM-7]]ほぼそのままであり、イルミネーターとしては手動式のMk 115が使用されるが、これは[[F-4「ファントムII」>F-4]]に搭載されている物を転用したもので、[[艦艇]]の[[射撃指揮装置>火器管制装置]]などに必ずしも適しておらず、また[[アスロック>RUR-5]]発射機を元にしたMk25 8連装発射機を必要とした。~
このため翼を折り畳み式に変更し、AN/SPS-65自動式[[イルミネーター]]に対応したRIM-7Hが開発され、Mk25よりも軽い専用のMk29・8連装発射機とともに多くの[[艦艇]]で運用された。~
また[[垂直発射システム]]が普及すると、これに対応したRIM-7M/Pがつくられた。~
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[[アメリカ海軍]]のほか、[[NATO>北大西洋条約機構]]諸国や日本の[[海上自衛隊]]など、非常に多くの[[水上艦]]に採用されたが、[[シースキミング]]で向かってくる[[対艦ミサイル]]を迎撃することは困難という弱点があるため、後継の[[RIM-162「ESSM」>RIM-162]]
が開発され、今後置き換わってゆくと予想される。~
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[[アメリカ海軍]]のほか、[[NATO>北大西洋条約機構]]諸国や日本の[[海上自衛隊]]など、非常に多くの[[水上艦]]に採用された。~
古い設計ゆえ最新の[[対艦ミサイル]]が行う[[シースキミング]]への対応が困難なため、後継の[[RIM-162「ESSM」>RIM-162]]に更新される予定。

***エイラート事件 [#a1406809]
1967年7月12日未明に発生したエジプト・イスラエル間の偶発的遭遇戦((イスラエルはこの事件以前にエジプトに対して挑発的な領海侵犯を繰り返しており、エジプト海軍が報復措置に出た事が背景にある。))。~
公海上を航行していたイスラエル[[駆逐艦]]「エイラート」をエジプト軍の[[魚雷艇]]2隻が捕捉し、交戦。~
[[魚雷艇]]から[[P-15「テルミート」(SS-N-2「スティクス」)>SS-N-2]][[対艦ミサイル]]が発射され、エイラートを撃沈した。~
これはソ連製[[対艦ミサイル]]にとって鮮烈な[[バトルプルーフ]]となり、現代海戦がミサイル戦の様相を呈する嚆矢となった。

**スペックデータ [#r1372964]
|全長|3.68m(RIM-7M)/3.66m(RIM-7P)|
|直径|20.3m|
|翼幅|103.0cm(RIM-7M)/101.6cm(RIM-7P)|
|発射重量|228kg(RIM-7M)/231kg(RIM-7P)|
|射程|26km|
|速度|[[Mach>マッハ]]4.0|
|推進方式|[[固体推進ロケットモーター>固体燃料ロケット]]|
|エンジン|エアロジェット Mk52 Mod2ロケットモーター(RIM-7H)&br;ハーキュリーズMk58 Mod4ロケットモーター(RIM-7M/P/R)|
|弾頭|Mk38拡張ロッド(66.8ポンド) (RIM-7H)&br;WAU-17/B [[爆風破片弾頭>榴弾]] (40kg)(RIM-7M)|
|誘導方式|[[セミアクティブレーダー誘導]](RIM-7H)&br;モノパルス・[[セミアクティブレーダー誘導]](RIM-7M)&br;[[IR>赤外線]]パッシブ[[シーカー]]+[[セミアクティブレーダー誘導]](RIM-7R)|
|タイプ|CENTER:RIM-7H|CENTER:RIM-7F|CENTER:RIM-7M|CENTER:RIM-7P|
|全長|>|>|>|CENTER:3.66m|
|直径|>|>|>|CENTER:20.3m|
|全幅|>|>|>|CENTER:1.02m|
|翼幅|>|CENTER:-|CENTER:103.0cm|CENTER:101.6cm|
|発射重量|CENTER:197kg|>|>|CENTER:231kg|
|有効射程|CENTER:8km|>|CENTER:18km|CENTER:-|
|最大射程|>|>|>|CENTER:26km|
|速度|>|>|>|CENTER:[[Mach>マッハ]]4.0|
|推進方式|>|>|>|CENTER:[[固体推進ロケットモーター>固体燃料ロケット]]|
|[[エンジン]]|CENTER:エアロジェット&br;Mk.38/52 Mod2&br;(単一推力)|>|>|CENTER:ハーキュリーズMk.58 Mod4&br;(二重推力)|
|弾頭|CENTER:Mk.38拡張ロッド&br;(30kg)|CENTER:Mk.71 爆風破片弾頭&br;(39kg)|>|CENTER:WDU-27/B [[爆風破片弾頭>榴弾]]&br;(40kg)|
|誘導方式|>|>|>|CENTER:[[セミアクティブレーダー誘導]]|
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**バリエーション [#v0183907]

:RIM-7E|初期型。~
[[AIM-7E>AIM-7]]と有意な差異はなく、[[イルミネーター]]も[[F-4「ファントムII」>F-4]]のものを転用して手動で用いていた。~
[[艦艇]]用の[[射撃指揮装置>火器管制装置]]と相性が悪く、発射機も[[アスロック>RUR-5]]発射機を元にしたもので使い勝手が悪かったという。
:RIM-7H|翼が折り畳み式に変更され、AN/SPS-65自動式[[イルミネーター]]に対応。~
発射機もMk.25よりも軽い専用のMk.29・8連装発射機に変更。多くの[[艦艇]]で運用された。~
:RIM-7M/P|[[垂直発射システム]]に対応したモデル。~
:RIM-7R|[[赤外線誘導]]の実装を目指した試験モデル。実戦配備されなかった。


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