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*&ruby(ひっとあんどあうぇい){【ヒットアンドアウェイ】}; [#mb4f8dda]
Hit and Away.~
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「一撃離脱」とも呼ばれる。~
[[有効射程]]と[[索敵>偵察]]能力の許す限り遠くから攻撃を仕掛け、即座に[[撤退]]する[[戦術]]。~
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戦術的には[[ゲリラ戦]]、[[騎兵]]による[[突撃]]、[[狙撃手]]の配置などが代表例。~
成功しても火力効率が悪く、敵戦力に有効打を与える前に[[撤退]]・離脱を余儀なくされる事も多い。~
その際には追撃を振り切るだけの[[機動力]]が必要となる。~
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また、上記の理由から、ヒットアンドアウェイは「[[撤退]]する事が可能な状況下」でしか成立しない。~
[[兵站]]基地との接続は一戦力にとって必須事項だが、非常時に基地ごと[[撤退]]するのは極めて困難である。~
従って、敵軍に兵站網の配置を把握されてしまった状態でのヒットアンドアウェイはほとんど成功しない。~
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総じて時間稼ぎ・[[兵站]]と[[士気]]への負荷に主眼を置く戦術であり、ヒットアンドアウェイのみで戦略的な勝利を得る事は難しい。~
しかし、戦術的には敵戦力を確実に弱体化させ、自軍が優位な状態での決戦を強いる事ができる。~
大規模な[[作戦]]では、本隊が大規模な追撃を仕掛けるために、敵軍を拘束して隙を作るために別働隊が実施する事が多い。

>例えば、敵軍の移動経路のいくつかを妨害し、[[砲兵]][[部隊]]の[[キルゾーン>有効射程]]へと誘導するために仕掛ける場合がある。

**航空戦における一撃離脱 [#t152a0a0]

[[軍用機]]、特に[[戦闘機]]においては、[[ドッグファイト]]を避ける[[奇襲]]的な戦術として一撃離脱を指向する事がある。~
典型的には、事前に上昇して[[位置エネルギー]]を確保した後、可能な限り高速で接近しながら攻撃を行い、減速を最小限に抑えてそのまま離脱する。~

[[第一次世界大戦]]当時から初手の[[奇襲]]戦術として知られてはいたが、当時はまだ高確率で失敗して[[ドッグファイト]]に移行していた。~
その頃の空戦は典型的に[[複葉機]]同士の遭遇戦であり、一対一の決闘に近い状況では離脱可能なだけの速度差を長くは維持できなかったためである。~
典型的には、事前に上昇して確保した[[位置エネルギー]]を[[運動エネルギー]]に変換して可能な限り加速、高速で接近しながら攻撃を行い、減速を最小限に抑えてそのまま離脱する。~
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[[第二次世界大戦]]頃の[[ファイタースウィープ]]では、集団戦術としての一撃離脱が隆盛した。~
遭遇初手での[[奇襲]]はもちろん、僚機との[[ドッグファイト]]に突入して後方不注意の状態にある敵機に一撃離脱で[[奇襲]]を仕掛ける機会も多々あった。~
戦闘機の黎明期である[[第一次世界大戦]]当時から先制発見時の[[奇襲]]戦術として知られてはいたものの航空機の性能的な問題から離脱可能なだけのエネルギーを維持できず、そのまま[[ドッグファイト]]に移行することが多かった。~
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近年の[[戦闘機]]における[[空対空ミサイル]]の応酬も、おおむね一撃離脱の様相を呈する。~
一方、戦間期から[[第二次世界大戦]]頃には、航空機の高速化や高高度性能向上、実戦における[[戦訓>バトルプルーフ]]から、一撃離脱が空戦における主戦法へと移っていった。~
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近代的な[[戦闘機]]における[[空対空ミサイル]]の応酬も、おおむね一撃離脱の様相を呈する。~
先んじて敵機を発見した側が[[アウトレンジ]]から高速で接近し、[[有効射程]]に入り次第[[ミサイル]]を発射、即座に後方反転して敵[[射程外>有効射程]]まで離脱する。~
そのような[[目視外射程]]での戦闘においても、初手での一撃離脱に失敗すると[[ドッグファイト]]に移行する。
そのような[[目視外射程]]での戦闘においても、初手での一撃離脱に失敗すれば敵機との距離が縮まることで[[ドッグファイト]]に移行することがある。

> 敵味方双方が[[ミサイル]]の[[有効射程]]付近で離脱しては再接近を繰り返し、敵機が背を向けている間に自機だけ[[有効射程圏>有効射程]]まで接近する事を目論む事になる。

関連:[[ドラッグ機動]] [[チェックシックス]]


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