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【SA80】 †
Small Arms 1980's(1980年代の小火器)
イギリス軍の現用突撃銃/分隊支援火器。
設計自体は典型的な5.56mmNATO弾使用の自動小銃で、機構はAR-18由来。
突撃銃がL85・分隊支援火器がL86名義で制式採用されているが、銃身以外全ての部品が共通。
このため、L85とL86の両銃を指す総称として "Small Arms 1980's" とも呼ばれる。
欠陥 †
SA80は明らかに欠陥品であり、その工業製品としての劣悪さと、制式採用した軍政の失策とによって悪名を馳せている。
ボルトおよびコッキングレバーの構造に瑕疵があり、内部機構が激しく前後に動く事で命中精度を著しく悪化させている。
回転機構の設計にも問題があり、「薬莢を噛む」「フィーディングトラブル」などの不発が多発する。
弾倉の信頼性も低く、固定が弱いため弾倉が脱落したり、スプリングが弱いために装填不良を起こす事が多い。
誤作動によって機関部の部品が損壊し、前線では補修不可能な状況に陥った事例も数多い。
2001年にはヘッケラー&コッホ社によって改修モデルL85A2に置換され、現行モデルでは上記の欠陥は是正されているという。
スペックデータ †
種別 | アサルトライフル |
口径 | 5.56mm |
全長 | 785mm |
銃身長 | 495mm |
重量 | 4,980g(弾倉に30発装填、4×SUSAT装着時) |
ライフリング | 6条右転 |
装弾数 | 30発(箱型弾倉) |
使用弾薬 | 5.56mmNATO弾 |
作動方式 | ガス圧利用・ターンロックボルト |
銃口初速 | 940m/s |
発射速度 | 610〜775発/分 |
バリエーション †
- SA80(L85)IW*1:
独自に開発した4.85mm弾を使用する試作型。
後に、5.56mmNATO弾に変更された。
- L85A1:
正式採用モデル。
- L85A2:
H&K社による改修型。
ガスシステム周りやコッキングハンドルなどの改修が行われている。
また、AG36(L123A2)グレネードランチャーを使用できるようになった。
信頼性は劇的に改善され、驚くべき事に、列国の一般的な自動小銃と同程度の水準に到達している。
なお、L85A1一丁をA2に改修するために支払われた費用はH&K G36自動小銃一丁の定価より高い*2。
- L85LSW*3:
L4(ブレンの改良型)の後継として開発された分隊支援火器モデル。
現在は、遠射性能と精度の高さからマークスマンライフルとして運用されている。
- L22A1/A2:
カービンモデル。
ハンドガードの代わりにフォアグリップが取り付けられている。
A2はピカティニーレールを追加し、イギリス陸軍の戦車兵用装備として配備されている。
- L98A1/A2:
訓練用モデル。
セレクターレバーがなく、ガスシステムを排除しており、グリップ前方まで引き伸ばされたコッキングハンドルを引いて弾薬を発射する。
*1 Individual Weaponの略。
*2 ライセンス生産や輸入などの手続きで予算が膨れあがるため、実際にG36を新調するよりは安く済むものと思われる。
*3 Light Support Weaponの略。