【RIM-7】(あーるあいえむなな)

RIM-7 Sea Sparrow(シースパロー)

アメリカがAIM-7「スパロー」空対空ミサイルをベースに開発した短距離艦対空ミサイル
1967年の「エイラート事件」を契機に早急な対艦ミサイル対策が必要になったため、急遽転用された経緯がある。

アメリカ海軍のほか、NATO諸国や日本の海上自衛隊など、非常に多くの水上艦に採用された。
古い設計ゆえ最新の対艦ミサイルが行うシースキミングへの対応が困難なため、後継のRIM-162「ESSM」に更新される予定。

エイラート事件

1967年7月12日未明に発生したエジプト・イスラエル間の偶発的遭遇戦*1
公海上を航行していたイスラエル駆逐艦「エイラート」をエジプト軍の魚雷艇?2隻が捕捉し、交戦。
魚雷艇?からP-15「テルミート」(SS-N-2「スティクス」)対艦ミサイルが発射され、エイラートを撃沈した。
これはソ連製対艦ミサイルにとって鮮烈なバトルプルーフとなり、現代海戦がミサイル戦の様相を呈する嚆矢となった。

スペックデータ

タイプRIM-7HRIM-7FRIM-7MRIM-7P
全長3.66m
直径20.3m
全幅1.02m
翼幅-103.0cm101.6cm
発射重量197kg231kg
有効射程8km18km-
最大射程26km
速度Mach4.0
推進方式固体推進ロケットモーター
エンジンエアロジェット
Mk.38/52 Mod2
(単一推力)
ハーキュリーズMk.58 Mod4
(二重推力)
弾頭Mk.38拡張ロッド
(30kg)
Mk.71 爆風破片弾頭
(39kg)
WDU-27/B 爆風破片弾頭
(40kg)
誘導方式セミアクティブレーダー誘導


バリエーション

RIM-7E
初期型。
AIM-7Eと有意な差異はなく、イルミネーターF-4「ファントムII」のものを転用して手動で用いていた。
艦艇用の射撃指揮装置と相性が悪く、発射機もアスロック発射機を元にしたもので使い勝手が悪かったという。
RIM-7H
翼が折り畳み式に変更され、AN/SPS-65自動式イルミネーターに対応。
発射機もMk.25よりも軽い専用のMk.29・8連装発射機に変更。多くの艦艇で運用された。
RIM-7M/P
垂直発射システムに対応したモデル。
RIM-7R
赤外線誘導の実装を目指した試験モデル。実戦配備されなかった。

*1 イスラエルはこの事件以前にエジプトに対して挑発的な領海侵犯を繰り返しており、エジプト海軍が報復措置に出た事が背景にある。

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