【G.55】(じー・ちんくあんたちんくえ)

Fiat G.55 Centauro

第二次世界大戦期にイタリアのフィアット社が開発、イタリア空軍で運用されたレシプロ単発戦闘機
愛称の「Centauro(チェンタウロ)」は日本語でケンタウロスと呼ばれることの多い、ギリシア神話に登場する半人半馬の生物の名前。

特徴

ドイツ製「DB 605」液冷エンジンのフィアット社ライセンス生産型「R.A.1050 R.C.58 "Tifone(ティフォーネ)"」を搭載する「Serie 5(セリエ・チンクエ)」系列戦闘機の3機種(G.55、M.C.205、Re.2005)の内、唯一新規に設計された*1
武装形態は型式によるものの、後期型では20mm機関砲×3門+12.7mm機銃×2挺と非常に強力で、機首周辺に集中して搭載された。

戦史

1943年に実用化、運用が開始されたものの配備機数は少なく、加えて同年9月のイタリア王国の降伏により本格的な生産は終了した。
しかし、その飛行性能は万全な状態であれば*2同時期に運用されていた各国の主力戦闘機と比しても全く遜色のないものであった。

イタリア降伏後に2機のみ試作され、1944年3月に初飛行したDB 603エンジン搭載のG.56は、ジェット機を除いた当時のあらゆるドイツ製戦闘機を超える優秀な飛行性能を発揮した。


*1 M.C.205はM.C.202?、Re.2005はRe.2001を原型とする。
*2 この頃のイタリア軍は兵站が脆弱で、航空機の整備体制に難があった。

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