【F4U】(えふよんゆー)

Vought F4U Corsair
ボート?社が開発し第二次世界大戦中期以降に活躍したアメリカ軍艦上戦闘機

高速を実現するために大型のプロペラがつけられ、地面とのクリアランスを取りつつも降着装置の大型化に伴う重量増加を押さえるため、逆ガル翼?という珍しい翼の形を採用している。
固定武装のブローニングM2 12.7mm重機関銃6挺(一部の機体は20mm機関砲4門)に加え、後期型では2000ポンド爆弾、127mmロケット弾などが装備でき、対地・対空両面で高性能を発揮でき、非常に汎用性の高い機体だった。

1940年に試作型XF4U-1が初飛行、1942年には量産型F4U-1が初飛行し、F4Uは米海軍で初めて時速400マイルを突破した高性能艦上戦闘機として大きく期待されていたが、1,200馬力級エンジン及び2,000馬力級エンジンを搭載するあまりに野心的な機体だったために、米海軍はF4Uが失敗したときのため、同時にF6Fの設計をグラマンに命じていた。
そして、F4Uは実際に艦上戦闘機として不安の残る機体であった。
まず機首が長いため着艦時の視界が悪いうえにプロペラブレードが長かったため、下手をすると着艦(着陸)時に甲板(地上)にプロペラを打ち破損する可能性があった。さらに、艦上機に求められる着艦時の低速飛行時に、大出力のエンジンが生むトルクによって失速挙動を起こし容易に機体が傾くという欠点があった。
また、一部のタイプが20mm機関砲を使用していたことも問題とされ、空中戦には携行弾薬が少ない一方、対地支援には有効とされた。

そのため、F4Uは艦上戦闘機として開発されたにもかかわらず、海兵隊の飛行士に操縦され、爆弾やロケット弾を使用して地上部隊の支援をすることになり、本来の艦上戦闘機としての任務はF6Fに与えられた。
地上から発進する対地攻撃機として主に使用されたF4Uが艦上運用されたのは、終戦間際になってからであったが、日本機と交戦した際には非常に優秀な戦果を収めており、撃墜比率は11:1であった。
大戦中はイギリスとニュージーランドにも輸出された。


朝鮮戦争が勃発すると、それまで閉鎖されていた生産ラインが海兵隊向けに再開され、またその一部はフランスに納入された。
また、米海軍の中古機がアルゼンチン・エルサルバドル・ホンジュラスに引き渡されている。
後期型にはレーダーを装備した夜間戦闘機型もあり、さらにフランスに納入された機体の一部は空対地ミサイルを搭載することができた。
朝鮮戦争ではMiG-15戦闘機を撃墜している。
その後も驚くほど長く使われ、1969年、サッカーの試合の判定から戦争まで発展した「サッカー戦争」で、エルサルバドルとホンジュラスの双方が本機種を用いて空中戦を行った。

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