【対戦車ミサイル】(たいせんしゃみさいる)

Anti Tank Missile (ATM)*1.

戦車歩兵戦闘車など軍用車両を破壊するためのミサイル
歩兵部隊に専属の射手を置くか*2、車両や攻撃ヘリコプターに搭載する。

弾頭は主に成形炸薬弾。近年ではLOSATなど徹甲弾を用いるものも考案されている*3

火砲に比べて非常に命中精度が高く、携行弾数が少ないうちは小型軽量*4
近年の戦争における戦車狩りによって性能を遺憾なく発揮し、一時期「戦車無用論」も飛び出すほどの戦果を挙げた。

しかし、破壊力を支える成形炸薬弾が枯れた技術であるため、最新主力戦車の正面装甲には対応出来なくなりつつある*5
また、目標に応じた弾頭の使い分けができず、即応性に劣り、弾薬が高価であるなどの欠点もある。

これらの問題から、実戦では無反動砲が採用される事例も少なくない。

主な対戦車ミサイル

  • アメリカ
  • アルゼンチン
    • Mathogo
  • イギリス/オーストラリア
    • マルカラ
  • イギリス
    • ヴィジラント
    • スウィングファイア
    • ブリムストーン
  • イスラエル
  • イタリア
    • モスキート
  • インド
    • Amogha
    • Nag
    • HELINA(Helicopter-launched Nag)/Dhruvastra
    • MPATGM
    • SAMHO
  • イラン
    • ラード(RAAD)
    • Towsan-1/M113
    • Dehlavieh(9M113「コルネット」のコピー)
    • サーエゲ(FGM-77(M47)「ドラゴン」のコピー)
    • トゥーファン(BGM-71「TOW」のコピー)
    • Sadid-1
    • Qaem(トゥーファンの発展型。Ghaemとも)
    • Akhgar
  • ウクライナ
    • ステューフナ
    • RK-2「ステューフナ-P」/「スキーフ」
    • RK-3「コルサル」
  • フランス
    • ENTAC
    • SS.10
    • SS.11
    • アケロンMP
  • フランス/カナダ
    • ERYX(エリックス)
  • フランス/西ドイツ
  • ブラジル
    • MSS-1.2
    • FOG-MPM
    • ALAC
  • ベラルーシ
    • シェルシェン
  • スイス/西ドイツ
    • コブラ
    • マンバ
  • ドイツ
  • スウェーデン
    • Bantam
    • RBS56 BILL-1
    • RBS56B BILL-2
    • MBT LAW
  • 日本
  • 中国
    • CM-501G
    • AFT-10
    • PA02-MA
    • PA01-GA
    • GP-2
    • TS-01
    • 紅箭8(HJ-8)
    • 紅箭9(HJ-9)
    • 紅箭10(HJ-10/CM-502KG/BA-9/BA-7/AR-1/AKD-10)
    • 紅箭11(HJ-11)
    • 紅箭12(HJ-12)
    • 紅箭73(HJ-73)
  • 北朝鮮
    • プルセ(Bulsae(「火の鳥」の意))-1
    • プルセ-2
    • プルセ-3
    • プルセ-4
  • 韓国
    • ヒョングン(현궁)/AT-1K「レイボルト」
  • ソ連/ロシア
    • 3M6「シュメル」(AT-1「スナッパー」)
    • 3M7「ドラコーン」
    • 3M11「ファラーンガ」(AT-2「スワッター」)
    • 9M14「マリュートカ」(AT-3「サガー」)
    • 9M15「タイフーン」(試作のみ)
    • 9M111「ファゴット」(AT-4「スピガット」)
    • 9M113「コンクールス」(AT-5「スパンドレル」)
    • 9K114「シュトゥールム」(AT-6「スパイラル」)
    • 9K115「メチス」(AT-7「サクルソン」)
    • 9M112「コブラ」(AT-8「ソングスター」)
    • 9M120「アターカ」(AT-9「スパイラル-2」)
    • 9M117「バスティオン」(AT-10「スタッバー」)
    • 9M119「レフレークス」(AT-11「スナイパー」)
    • 9K118「シェクスナ」(AT-12「スウィンガー」)
    • 9K115-2「メチス-M」(AT-13「サクルソン-2」)
    • 9M133「コルネット」(AT-14「スプリガン」)
    • 9M123「フリザンテーマ」(AT-15「スプリンガー」)
    • 9K121「ヴィキール」(AT-16「スカリオン」)
    • Hermes-A


*1 陸上自衛隊では「MAT」と呼ばれている。
*2 重量の都合から1人当たり1発が携帯できる限界。小銃を持てなくなるため全員に携帯させるわけにもいかない。
*3 主にコスト上の問題から、こうしたミサイルの実用化の目処はいまのところ立っていない。
*4 小型軽量なのは発射器が砲身よりも極めて軽量なため。1発1発のミサイルは砲弾よりもずっと重い。
*5 現状でも脆弱な砲塔上面部分を狙ったり、弾頭を二重にして貫通力を高める等の工夫によって撃破可能ではある。

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