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【蒸気機関】 †
steam engine.
エンジンの一種。
水を加熱して沸騰させ、蒸気の圧力から動力を得る外燃機関。
ボイラーで水を沸騰させて生成した高圧の水蒸気をシリンダーへ送り込み、ピストンを往復運動させる。
そしてこの往復運動を、クランクを通じて回転運動に変換するものが一般的である。
シリンダーを通った水蒸気は、そのまま大気中に放出される場合もあれば、復水器で冷却して再利用される場合もある。
蒸気圧を利用する機構そのものは紀元前から存在するが、実用的な用途が見いだされる事なく長きにわたって失伝。
産業上の実用に耐えうる最初の蒸気機関は1769年にジェームズ・ワットによって構築され、後の世に言う「産業革命」の端緒となった。
しかし、燃料が持つ熱エネルギーの1%程度しか仕事として取り出すことができず、装置も大掛かりにならざるを得なかった。
さらに燃料だけでなく大量の水も消費するうえ、起動に際して大量の水を沸騰させ、停止に際しても水を冷ます必要があり、どちらも数時間以上の待機時間を要求する。
このため、より熱効率の良い蒸気タービンや、液体燃料から直接動力を得る内燃機関の登場によって陳腐化していった。
関連:蒸気タービン