【従軍聖職者】(じゅうぐんせいしょくしゃ)

軍隊内部で宗教的活動に従事する軍人・軍属。
宗教の教派により「従軍牧師」「従軍神父」「従軍司祭」などの呼び名がある。
また、国や時代によってはユダヤ教・イスラム教・仏教などの従軍聖職者が存在する場合もある。

主な任務は以下のとおりである。

  • 部隊艦船における礼拝や記念行事を主宰すること。
  • 戦場や医療の現場で、臨終の者に対する看取りを行うこと。
  • 平時における将兵・軍属への宗教教育や統率訓練を行うこと。
  • 部隊や将兵に対する精神的支援を行うこと。

国や時代により差はあるが、一般的に、従軍聖職者は軍医や航空機操縦士、法曹などと同様に「特殊で高度な技能の持ち主」とされることから、士官待遇の階級で扱われることが多い*1
また、戦時国際法により衛生兵とほぼ同等の保護資格が与えられている。

日本における従軍聖職者

かつての旧軍では、「従軍僧」と呼ばれる仏教の従軍聖職者がいたが、軍人ではなく軍属の扱いであった。
また、旧軍では聖職者も徴兵の対象となっていたため、神官や僧侶の資格を持つ将兵が臨時に従軍神主や従軍僧の役割を務めることがあった。

なお、現在の自衛隊において、宗教活動に従事する兵科(職種)はない。


*1 このため、聖職者の資格を持つ若者にとって、徴兵・志願を問わず人気のある兵科となっている。

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