【酒保】(しゅほ)

Exchange / Post Exchange(米)、kantine(仏)、Feldschenke/Soldatenschenke(独).

軍隊の基地・駐屯地や大型の艦艇に設けられた売店。
将兵(主に下士官兵卒)向けにタバコ、酒類、菓子などの嗜好品、食品、日用品などを販売する。
将兵の慰安のために休憩スペースを備えたり、新聞・雑誌・書籍や娯楽・運動器具を備える事もある。
郵便や銀行業務の取り扱い窓口となっている場合も多い。

アメリカでは単なる売店・交換所を"Exchange"、郵便番号を割り振られた売店を"Post Exchange, PX"として区別する。

基本的には軍隊の兵站部門が直接運営するもので、採算はそれほど考えない。
また、規律維持のために購入額・購入点数などに制限がかけられている事も多い。
しかし、昔から民間軍事会社や外部の商人に運営が委託される場合は多い。
民兵組織などでは、(一般店舗を利用するか各自の家庭で生活するため)酒保を設けない場合もある。

余談ながら、現代の軍隊のほとんどは任務中の飲酒に懲罰を課しており、酒類の販売を行う事は稀である。
しかし、近代以前においては酒保がまさしく軍隊酒場の様相を呈する事も少なくなかった。

人権意識の希薄な時代、末端兵士にとっての軍隊は「酒にでも溺れなければやっていけない」環境であった。
また、その時代は娯楽のバリエーションも非常に少なく、士気を高揚させる手段など酒盛りと娼婦くらいがせいぜいであった。
極端な場合、敵前逃亡を防ぐために酒を飲ませたり麻薬を与えたりして戦場での恐怖を麻痺させた事例さえある。

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