【斜め飛行甲板】 †
航空母艦の飛行甲板を、前後に対して斜め向きに設置する事。
飛行甲板の艦尾中央から左舷中部にかけ、ヨー角約10度前後で設けられる。
これとは別に前後水平の飛行甲板も設置され、交差点を形成する。
艦載機は艦に対して水平の角度で発艦し、斜めの角度に着艦する。
発艦と着艦の経路を分ける事で、艦載機の渋滞を緩和し、衝突事故を回避する事ができる。
飛行甲板上で艦載機が駐機している状態で、さらに別の艦載機が着艦しようとする、という事態が航空母艦では多発する。
甲板が一本の直線でしかない場合、甲板が空になるまで空中で待機するか、衝突する危険性を承知で着艦を強行するかの二択になる。
斜め飛行甲板があれば、着艦時に通過しない箇所に安全に駐機させておく事ができる。
ジェット戦闘機が初めて本格運用された朝鮮戦争の戦訓から必要とされ、1950年代以降の正規空母の基本常識となった。
ただし、V/STOL空母やヘリコプター空母においては不必要であるため設置されない。