【自己鍛造弾】(じこたんぞうだん)

Self Forging Fragments(自己鍛造弾) / Explosively Formed Penetrator(爆発成形侵徹体)

装甲用途に用いられる弾頭の一種。
運用上の性質は徹甲弾に近いが、破壊・殺傷の原理は成形炸薬弾に類似する。

爆薬を収めた缶のような形状で、弾頭となる金属蓋(ライナー)の部分が凹レンズ状にへこんでいる。
これが起爆すると、以下のような現象が貫通する。

  1. ユニゴオ弾性限界?を越える衝撃が前方に集中し、蓋を吹き飛ばして"発射"する。
  2. マッハ7以上の極超音速で射出された蓋は塑性流動を起こし、ほぼ瞬時に変形。
  3. 蓋はスパイク状に絞り込まれた形状へと自ら鍛造され、その形状で安定。
  4. 塑性流動した蓋は別に融解しているわけではないため、元々の硬度を維持。
    結果、蓋だった物は、同口径の一般的な砲弾の3〜4倍の速度で飛来する硬質金属の徹甲弾と化す。

潜在的なエネルギー効率は成形炸薬弾よりも効率的で、現行主力戦車にも有効。
また、中空装甲などの成形炸薬弾対策技術がほとんど無効。

ただし、貫通力が蓋の直径に大きく影響を受けるため、極端な大口径化を必要とする。
このため口径に制約のあるカノン砲での運用には不向き。
主に対戦車ミサイルの弾頭として利用されている。


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