【軍事革命】(ぐんじかくめい)

Revolution in Military Affairs (RMA)
技術革新による軍事の劇的な変化のこと。
これまでの人類史上で7回あった、とされており、歴史の古い順にあげると以下の通りとなる。

  1. 青銅器の登場
  2. 弓矢・投石機の登場
  3. 騎兵戦術の確立
  4. 火器の実用化
  5. 国家総力戦の概念
  6. 装甲車両および航空機の発達
  7. 核兵器による相互確証破壊

第八の軍事革命

単に「軍事革命」と称する場合、現在進行形で発展しているといわれる第八の軍事革命を指す事が多い。

その発端は冷戦終結による軍隊の量的削減と、情報通信技術の劇的向上によるもので、データリンク全地球測位装置、精密誘導兵器、高い機動性を持つ部隊などの諸要素によって成される。
その結果として起きるのは、警戒・通信・指揮・攻撃が高度に統合された次世代の「電撃戦」であり、これらによって戦闘の様相が以前と全く違うものになる。

具体的に引き起こされる変化は以下のようなものになる。

  • 勝利のための基本的軍事行動
    • 軍事革命以前:兵員・装備の物理的な破壊(消耗戦)
    • 軍事革命以後:指揮統制システムを破壊し、兵員・装備を無力化(麻痺戦)
  • 開戦直後の展開
    • 軍事革命以前:前線の即応部隊が時間を稼ぎつつ情報を収集し、さらなる指示と増援を待つ
    • 軍事革命以後:情報優勢と高速大容量のデータリンクによる「指示を待たない」迅速な指揮と展開
  • 作戦運用における中核

こうした概念は1990年代以降の湾岸戦争コソボ紛争?イラク戦争?において実証された。
アメリカと敵対した軍隊は戦争の初期段階で指揮統制を乱され、大多数の部隊が無傷であったにも関わらず戦況を把握できず立ち往生を余儀なくされた。
その後は抗戦を強行した部隊との散発的な遭遇戦に終始し、軍隊を撃滅することなく終戦を迎えている。

現代の軍隊にとって最重要課題である事は間違いないが、現在の所この思想を実現できたのはアメリカ軍のみ。
このため、現在の情報軍事技術が各国の常識となった後の戦争については十分な予測・研究が成されていない。

関連:トランスフォーメーション 非対称戦争


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