【空対艦ミサイル】(くうたいかんみさいる)

攻撃機爆撃機ヘリコプターなどから発射され、水上艦を攻撃することを目的とするミサイル。
航空機によって任意の場所から発射することが可能であり、かつ発射後は高速で飛翔するため迎撃が困難で、(かつての航空魚雷に代わって)水上艦にとっての最大の脅威対象となっている。

1982年のフォークランド紛争において、アルゼンチン海軍のシュペル・エタンダール?が使用した5発のAM-39エグゾゼ空対艦ミサイルが、イギリス海軍の新鋭駆逐艦シェフィールド?を含む数隻を撃沈したほか、英艦隊の動きを大きく牽制することに成功し、空対艦ミサイルの兵器としての有効性と脅威が強く認識されるようになった。
なお、この戦いではイギリス海軍もシーリンクスからシースクアー?空対艦ミサイルを発射し、アルゼンチン艦艇を撃沈している。

現在使用されている対艦ミサイルは、どれも(当たり所によるにせよ)1発命中するだけで現行の艦艇の殆どに致命的なダメージを与え得る。
そのため、CIWSRAM等の対艦ミサイル迎撃を目指した兵器の開発が進められることになった。
対するミサイル側も、水面ギリギリの超低高度を飛翔するような飛行制御プログラムを搭載したり、迎撃が追い付かないほどのスピードを出す等、如何に敵に見つからず、迎撃されにくい飛び方をするか*1を追求しており、イタチゴッコの様を見せている。

世界で使われている主なものは、AM-39エグソゼ(仏)AGM-84ハープーン(米)AS-17クリプトン(露)?シーイーグル(英)?等である。

各国の対艦ミサイル

  • アメリカ
  • ロシア
    • K-10S(AS-2「キッパー」)
    • KS-1「コメート」(AS-1「ケンネル」)
    • KSR-2(AS-5「ケルト」)
    • KSR-5(AS-6「キングフィッシュ」)
    • Kh-31(AS-17「クリプトン」)
    • Kh-35(AS-20「カヤック」)
    • Kh-41(SS-N-22「サンバーン」)
    • Kh-59「オーヴォト」(AS-13「キングボルト」)
    • Kh-61
  • イギリス
    • シーイーグル(イギリス)
    • シースクア(イギリス)
  • 台湾
    • 雄風2型
AM-39.jpg

AM-39エグゾゼ空対艦ミサイル(内側)と、マジック2短射程空対空ミサイルを搭載しているミラージュ2000
Photo :Photo: IAF(Indian Air Force)HP


*1 ミサイルではなく、搭載母機(戦闘機攻撃機など)にその機能が持たせられることもある。
  例えば日本のF-2支援戦闘機は、4発の対艦ミサイルを搭載して水面ギリギリを飛行できるように抜群の安定性と洋上迷彩が持たせられた。


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