【均質圧延装甲】(きんしつあつえんそうこう)

Rolled Homogeneous Armour(RHA)

装甲の一種で、溶けた鋼を巨大なローラーで圧し延ばして成型した鋼鉄の板。
表面から内部に至るまで均質で、鍛造や焼き入れなどの表面硬化処理は行わない。

品質管理・量産が比較的容易な反面、防御効率においては表面硬化装甲に劣る。
ただしこの差異は材料工学の進歩によって縮まっていき、強度と靱性を両立した20世紀後半の鋼材は表面硬化を事実上無価値なものにした。
以降、複合装甲が登場するまで最も広範に用いられていた装甲であり、現代でも量産性を重視した軽装甲では標準的に用いられる。

現代において、素材となる均質圧延鋼の仕様には国際的な標準規格が存在する。
このため、装甲の防御効率や兵器の装甲貫通力を示す指標として均質圧延鋼との比較を行う事が多い。
現代の資料で「〜〜cmの鋼鉄を貫通する」などと表記される場合、その鋼鉄はたいてい均質圧延鋼である。

装甲強度の向上という点では枯れた技術であり、成形炸薬弾装弾筒付翼安定式徹甲弾に対しては十分に対抗できない。
材料工学においては150kg/㎟程度が均質圧延で実現できる強度の限界とされる。


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