【ローンチカスタマー】(ろーんちかすたまー)

Launch Customer.

新型の航空機(特に旅客機貨物機)の生産において、メーカーに対して製造開発に踏み切らせるだけの規模の発注を行い、その製造計画を立ち上げる(ローンチ)後ろ盾となる顧客(カスタマー)。
中堅から大手の航空会社がなることが多い。

一社で数機〜数十機もの大量発注を行い、単独でローンチカスタマーになることもあるが、高価で大量発注が難しい機体の場合、2社〜数社が共同してなることもある*1
また、同じ機種でも旅客型と貨物型で違う会社がつくこともある。

1960年代以後、航空機の高性能化と人件費の高騰により、新型機の開発費用が巨額になったことから「構想段階であらかじめ航空会社などに需要を打診するとともに発注を要請し『実際にどの程度のニーズがあるか』を見極める手法」として始められた。

仮にここで「一定規模の需要がある」と見込まれれば、その後の発注も見込め採算に乗ることが期待される。

現在では中・大型機のほとんどがこの手法を採用している。

主な機種のローンチカスタマー

  • エアバス社製
    • A300:エールフランス
    • A310:ルフトハンザドイツ航空/スイス航空
    • A319/320/A330:エールアンテール
    • A340:エールフランス/ルフトハンザドイツ航空
    • A350XWB:カタール航空
    • A380-800:シンガポール航空/エミレーツ航空
    • A380-800FFedEx?*4

*1 エアバスA380(旅客型)やボーイング747-8Fでは二社がローンチカスタマーになった。
*2 日本貨物航空から移譲された。
*3 実質的なローンチカスタマーはエールフランスだが、試験飛行に用いられた機体は日本航空に引き渡されている。
*4 開発遅延によりキャンセル。また、同機自体も他航空会社からの発注が全部キャンセルされ、実機の生産は行われていない。

トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS