【フリゲート】(ふりげーと)

Frigate.

軍艦の種別のひとつ。
時代によって以下のような定義がある。  

ガレー船

地中海でフレガータ(fregata)と呼ばれる手漕ぎと帆を併用する快速船が使われており、これが後に「フリゲート」の語源となった。

帆船

帆船におけるフリゲートの定義は不明瞭だが、おおむね艦載砲20〜40門を搭載した全装帆船(3本以上の帆柱全てに横帆を張った船)を指す。
典型的には甲板の全長40メートル、排水量1,000トン程度。

18世紀のイギリスで軍艦を砲門数で等級化した際は、5等艦・6等艦がフリゲートとされた。

当時の軍艦としては最小規模で、艦隊戦では偵察・通報・損傷艦の曳航などに従事し、戦列艦の戦列に加わる事は普通なかった。
また、船団護衛・商船襲撃・辺境警備などにも投入された。大衆の目に触れる機会も多く、同時代を代表する軍艦と言える。

当時の海軍は拿捕した敵船に賞金を掛けていて、薄給の将兵にあって莫大な賞金を見込めるフリゲートは憧れの的だった。
一方、この賞金制度により、作戦を放り出して商船拿捕に熱中する軍属海賊フリゲートも続出したという。

海軍における帆船時代は19世紀前半が最盛期で、1853年に榴弾が実戦投入されるまで続いた。
その後は装甲蒸気機関を備えた装甲フリゲートを経て、巡洋艦へと変遷していった。

現代のフリゲート

現代の「フリゲート」は、基本的に排水量3000t〜4000t以下の小型戦闘艦艇を指す。

だが、駆逐艦とフリゲートの境界は非常にあいまいである。
例えば、現代イギリス海軍は排水量を考えず、任務の性質でフリゲートと駆逐艦を分類している。
即ち、潜水艦対策を行う艦を"frigate"、航空機を駆逐する艦を"destroyer"と称する。

関連:護衛駆逐艦 海防艦 通報艦


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