【フライトアテンダント】(ふらいとあてんだんと)

Flight Attendant.
または「キャビンアテンダント(CA=Cabin Attendant)」「パーサー」とも呼ぶ。

旅客機の運航中、客室内で乗客への接客サービスや非常時の避難誘導などに従事する乗員
日本語では「客室乗務員」と訳される。
(後述する歴史的経緯により)かつては女性社員がつくことが多かったことから「スチュワーデス」「エアガール」「エアホステス」などとも呼ばれていた。*1

1930年、アメリカのユナイテッド航空が機内で体調を崩した乗客への対応(応急手当など)のため、看護士資格を持つ女性社員を乗員として搭乗させたのがそのはじまりである。
この判断には、会社の「飛行機は女性にも乗れる安全な乗り物」ということをアピールしようとした意図もあったというが、これが好評だったため同業他社も追随、多くの会社が採用した。

このような経緯から、長らく女性の職業とされており、現在の航空会社でも女性社員が優先的に採用される。

「客室系総合職」という待遇で採用された男性社員がこの業務に就くこともあるが、採用数が極めて少なく、また、乗客と直接接触する業務に就くことは極めて少ない*2

特に日本では、20世紀半ば過ぎまで「外国語の素養がある人がごく一部に限られていた」ことや「観光目的で海外へ渡航する人が極めて少なかった」こと、また「(前記のようなことから)『社会的ステータスの高い男性と巡り会える機会が多く、将来の結婚に有利』とされていた」ことなどがあって、女性のつく職業としては極めて高い社会的ステータスが与えられてきた。

そのこともあって、特に大手航空会社では選考・採用に際して
「当人の思想傾向」
「モデル・ミスコン等の芸能活動*3・水商売・性風俗業への従事経験の有無」
までチェックされるという。

また、そのことからドラマや小説・漫画の題材にもしばしば取り上げられている。
(代表的な作品として「アテンションプリーズ」「スチュワーデス物語?」などがある)

近年では「海外旅行の大衆化」や「女性の職業観・結婚観の変化」などもあいまって「ステータス」は相対的に低下しつつあるというが、それでも、(特に若い世代の女性における)人気職業のひとつとしての地位は保たれている。


*1 現在の日本では男女雇用機会均等法の施行に伴い、この種の「性差」を強調した職業の呼び名は公式には使えないことになっている。
*2 日本航空では2009年から、毎年「端午の節句」である5月5日に男性アテンダントだけが乗務する特別便を運航している(なお、このフライトでは操縦士整備士もすべて男性社員が携わる)。
*3 某社の契約制社員として勤務していたある女性が、在職期間中、某週刊誌に掲載されたヌードグラビアのモデルとして出演したことが発覚して問題となったことがあり、以後、この項目が追加された。

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