【ハンス・ヨアヒム・マルセイユ】(はんす・よあひむ・まるせいゆ)

Hans Joachim Marseille(1919年生〜1942年没).

第二次世界大戦時に活躍したドイツ空軍エースパイロット
最終階級は空軍大尉。

Bf109に搭乗し、西部戦線において連合国軍の優秀な戦闘機パイロットの搭乗する機体を158機撃墜
「アフリカの星」としてドイツ国内でプロパガンダの材料になり、戦後も映画の主人公になるなど、極めて高い知名度を誇る人物である。

主にアフリカ戦線で活躍した彼は、敵の編隊に単騎で突撃*1、厳しい状態に自ら飛び込むことで自らの空中戦闘能力を訓練し、その経験から敵機の機動を予測した見越し射撃という特徴的な戦法を編み出した。
このため、「マルセイユの射撃に敵機が吸い込まれていく」とまで言われた。
また、一般に旋回性能が低いとされるBf 109を乗機としながらも近接格闘戦を主な戦術とした。

一方、軍人としては反抗的で、軍規を度々破るなど、模範的とはいえなかった。
それでも、その操縦技術は本物であり、多くの同僚がそれを認めている。

彼の乗機には「ゲルプ14」といわれる黄色で描かれた14のマークが描かれていた。
この「14」という数は、ドイツ空軍戦闘機部隊の本来の編制*2上ありえない数字であり、ドイツ空軍パイロット達の中でも最高級のエースである彼だからこそ許された数字であった。

1942年9月、今まで乗りなれていたメッサーシュミットBf 109 F-4/tropから初めて乗り換えたG-2/trop*3で飛行中に深刻なエンジン不調に陥り、脱出する際に尾翼と接触して意識を喪失、そのまま地面に激突した。享年22歳であった。


*1 この度に機体は被弾し、修理不可能となった
*2 戦闘機中隊の編成機数は12機であった。
*3 新型エンジンDB 605を搭載していたが、この頃は初期不良が多発していた

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