【ドレッドノート(戦艦)】(どれっどのーと(せんかん))

Dreadnought(「恐れしらず」の意)

1906年にイギリス・ポーツマス工廠で建造された戦艦

当時の海戦の常識を覆す野心的な設計思想で建造され、次世代以降の戦艦を定義づける革新的な特徴を多数持つ。
「それまでの軍艦全てを時代遅れにした」と称され、当時既存または建造中だった軍艦の大半を旧式化させた。

ちなみに、この技術的奇襲で最も多くの被害を受けたのは当のイギリス海軍である。

顕著な特徴は以下の通り。

  • 艦載砲として12インチ砲(主砲)連装砲5基(10門)の重武装。
  • 砲塔5基のうち3基が船体中心線上に配置された回転砲塔。右舷・左舷両面に攻撃できるようになった。
  • それまで一般的だった拿捕白兵戦を軽視して砲撃戦に特化。

とはいえ、建造後の艦艇そのものは技術的過渡期によくある未成熟な完成度で、さしたる活躍を見せる事はなかった。
イギリス海軍は(自ら陳腐化させた)艦艇の更新を急いだため、ドレッドノート自体も急速に旧式化していった。
艦載砲魚雷によって敵船を沈めた記録は一度もない(唯一の戦果は艦首衝角での突撃による)。

スペックデータ

主造船所ポーツマス造船所
起工1905.10.2
進水1906.2.10
就役1906.12.2
退役1919.
備考1922. スクラップとして売却*1
1927. インヴァネスで解体
排水量
(常備/満載
18,110t/21,845t
全長160.6m
全幅25m
喫水8m/9.4m(満載)
主缶バブコック・アンド・ウィルコックス式石炭・重油混焼水管缶×18基
主機パーソンズ式直結タービン(高速・低速)×2組4軸推進
出力23,000hp
最大速力21.0kt
航続距離6,600浬(10kt)
乗員定数800名
武装Mark10 45口径12インチ(30.5cm)連装砲×5基
QF 7ポンド 50口径3インチ(7.6cm)単装砲×27基
18インチ(45cm)単装魚雷発射管×5基
装甲舷側:279mm(舷側)
甲板:76mm
砲塔前盾:279mm
バーベット部:279mm(最厚部)
司令塔:279mm

戦果

  • 1915年3月15日(第一次世界大戦)
    • スコットランド沖を哨戒中、ドイツ軍のU29潜水艦を発見(海面浮上中)。
      ドレッドノートはそのまま接近して衝角攻撃を敢行し、U29は衝角で引き裂かれて沈没した。

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