【チャレンジャー2】(ちゃれんじゃーつー)

FV4034 Challenger 2.

1990年代に英国陸軍の主力戦車として開発・生産された戦車
1994年よりチーフテンの老朽更新のため配備され、386両が生産された。

車体構造はチャレンジャー戦車の再設計。
外見上は照準装置の位置とサイドスカートの形状が違う程度で、さほど変更点はない。
主な改良点は電装系で、暗視装置・火器管制装置GPS航行装置などの電子機器の強化が白眉。
戦車長用に専用の暗視装置も取り付けられている。

また、砲塔が再設計され暗視装置を主砲基部上に同軸配置し、前面・側面の装甲が改善。
チョバム・アーマーもAPFSDS弾に対応した新型に換装。
主砲も55口径120mmライフル砲・L30A1に換装された。

スペックデータ

乗員4名
全長11.55m
車体長8.3m
全高3.04m
全幅3.52m
戦闘重量62.5t
懸架方式ハイドロニューマチック式
エンジンパーキンスCV-12 4ストロークV型12気筒液冷ディーゼル
(出力1,200hp(895kW))
登坂力60%
超堤高0.9m
超壕幅2.34m
最大速度59km/h(路上)
行動距離450km
装甲複合装甲(チョバムアーマー)
兵装L30A1 55口径120mmライフル砲×1門(弾数52発)
L94A1 EX-34 7.62mm機関銃×1挺(同軸
L37A2 7.62mm機関銃×1挺(対空用、弾数4,000発)
6連装発煙弾発射器×2基


派生型

  • タイタン架橋戦車(TITAN AVLB*1):
    架橋戦車型。

  • トロージャンAVRE*2
    工兵戦車型。油圧アームやドーザーブレードを装備する。

  • CRARRV*3
    戦車回収車型。
    元はチャレンジャー1の車体をベースにしているが、近年は履帯・起動輪・転輪などがチャレンジャー2と同じ物にアップグレードされている。
    また、ERAやバー・アーマーなどが追加装備された車両も存在する。

  • チャレンジャー2E「デザート・チャレンジャー」:
    中東向け輸出仕様。
    パワーパックをドイツ製の「ユーロパワーパック*4」に換装し、油気圧式懸架装置を新型に変更。
    車長用照準器を換装するとともにBMS(戦場管理システム)を追加。
    その他、乗員室と機関室に完全自動式消火・防爆装置を追加。
    現在までにイギリスの売り込みに応じた国は存在せず、未だ試作段階に留まっている。

  • チャレンジャー2 Mk.2「ブラックナイト」:
    2018年に発表された夜間戦闘能力向上型。
    車両前後に監視・照準用の回転式赤外線カメラを装備するほか、接近する対戦車ミサイルなどを感知して迎撃する「アクティブプロテクションシステム」、敵の照準レーザーを検知すると自動制御で発信源に機銃を向ける「レーザーワーニングシステム」などの新装備を多数搭載する。

  • チャレンジャー3:
    アップグレード型。主砲はL/55A1 120mm滑腔砲に換装される。
    また、大出力エンジン、新しい冷却システム、サスペンションシステムの搭載による移動中の射撃精度向上、最高速度を95km/hに引き上げ航続距離を延長する。
    その他、射撃管制装置の改善や夜間戦闘能力の向上などが施される予定である。


*1 Armoured Vehicle Launcher Bridge.
*2 Armoured Vehicle Royal Engineers.
*3 Challenger Armoured Repair and Recovery Vehicle.
*4 MTU社製MT883 V型12気筒多燃料液冷ターボチャージドディーゼル(出力1,500hp)とRenk(レンク)社製 HSWL 295TMオートマチックトランスミッション(前進5段、後進3段)を組み合わせたもの。

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