【あつみ】(あつみ)

JS Atsumi(LST-4101).

1970年代に建造された、海上自衛隊輸送艦戦車揚陸艦)。
海上自衛隊初の国産輸送艦であった。
艦名は愛知県の「渥美半島」に由来する。

姉妹艦に「もとぶ(JS Motobu LST-4102)」「ねむろ(JS Nemuro LST-4103)」の2隻があった。

海上自衛隊では1960年代、アメリカ海軍の「LST-542」型戦車揚陸艦を「おおすみ(初代)」型として3隻導入し、自衛艦隊直轄の「第1輸送隊」として業務輸送や作戦輸送に用いていた。
1968年に小笠原諸島が日本に返還され、硫黄島航空基地分遣隊や父島基地分遣隊の開設が決定されると、港湾設備の不十分なこれらの島への物資や機材の輸送需要が発生し、ビーチング能力を持つ同級はこれらの輸送にも活躍した。
このことから、地方隊の専属艦として同様の任務に充てるために計画・建造されたのが本艦級であった。

本級はおおすみ型を手本とした戦車揚陸艦として設計され、1個普通科歩兵)中隊130名と装備車両、または物資400トンの揚陸ができるようになっていた。
74式戦車であれば5両、3.5トントラックであれば10両を搭載できた。

本級は1970年代に3隻が建造され、地方隊の業務輸送に活躍したが、老朽化により1998〜2005年にかけて除籍された。


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