【BTR-152】 †
ソビエト連邦が開発した装輪式装甲車。
ソ連軍が第二次世界大戦後に開発した、初めての本格的な装甲兵員輸送車である。
1962年の生産中止までに15,000両超が生産された。
半装軌車ではないが、全体的な車体デザインは、独ソ戦で対面したナチ・ドイツのSd Kfz 250/251やアメリカ合衆国からレンドリース供与されたM5/M9ハーフトラックからレイアウト面における影響を受けている。
前期はZiS-151トラックのシャーシをベースとして開発され、後期はZIL-157トラックをベースに開発されている。
兵員室はオープントップ式で17〜18名の歩兵を搭乗させることが可能である。
後期の派生型は、乗員が路面の状態などを考慮に入れてタイヤの空気圧を調節できる機能を搭載している。
両側面には搭乗歩兵が内部から射撃できるように三ヶ所ずつのガンポートが備わっている。
実戦参加では、1956年のハンガリー動乱の際に初めて投入された。
スペックデータ †
乗員 | 2名+兵員17〜18名 |
全長 | 6.55m |
全高 | 2.41m |
全幅 | 2.32m |
戦闘重量 | 8.6t |
エンジン | ZIS-123 直列6気筒液冷ガソリンエンジン(110馬力) |
最大速度 (路上/水上) | 65km/h / 10km/h |
行動距離 | 650km |
装甲 | 6〜14mm |
兵装 | SGMB? 7.62mm重機関銃×1挺(1,250発) |
派生型 †
- BTR-152:
ZIS-151ベースの初期型。
- BTR-152ATV:
戦車駆逐車型。
- BTR-152-A(ZTPU-2):
対空車輌型。
BTR-40A?対空自走砲と同様に、KPVT 14.5mm重機関銃(弾数2,400発)を装備する4連装のZPTU-4または2連装のZPTU-2対空銃架を搭載している。
対空機銃は全周旋回可能で仰俯角は-5°〜+80°となっており、1丁あたり1,200発の弾丸を携行する。
- BTR-152-S:
戦闘指揮車輌型。
- BTR-152-B:
車体前部にウインチを搭載した砲兵指揮車輌型。
タイヤ空気圧調整装置を装備する。
- BTR-152B1(ZU-23):
対空車両型。
BTR-152の兵員室前部に、ZU-23 23mm対空機関砲を連装装備する旋回砲塔を搭載している。
- BTR-152-D:
BTR-152-Aと同等の対空車両型。試作のみ。
- BTR-152ATV:
- BTR-152-C:
通信車輛型。
- BTR-152-V:
ベース車輌をZIL-157トラックに変更した型。
タイヤ空気圧調整システムを搭載。
- BTR-152-E:
BTR-152-Aと同等の対空車両型。
- BTR-152-I:
BTR-152-Vベースの砲兵指揮車輌型。
- BTR-152-S:
戦闘指揮車輌型。
- BTR-152-K:
1959年から生産された型。
核戦争に対応するため密閉式戦闘室を採用、上部ハッチも採用された。
車体重量は9t、居住性を確保するため乗員は2+13名に減少した。
- BTR-152-V-1:
BTR-152-Vに暗視装置を搭載し、タイヤ空気圧調製システムを改良した型。
- BTR-152-U:
戦闘指揮車輌型。配備されず。
- BTR-152-V-2:
BTR-152をBTR-152-V-1の性能を基準として改良した型。試作のみ。
- BTR-152-V-3:
BTR-152-VをBTR-152-V-1の性能を基準として改良した型。
- BTR-152-E:
- BTR-E-152-V:
実験車輌。
走破性能を改善するために第2車軸が車の中心の方に動かされた。
- BTR-152-U:
戦闘指揮車輌型。配備されず。
- BTR-152 TCM-20:
イスラエルが第三次中東戦争で鹵獲したBTR-152を対空車輌に改造したもの。
イスパノ・スイザ HS.404 20mm機関砲をM45機関銃架に搭載したTCM-20 2連装対空機関砲を搭載した。
- 56式兵員輸送車:
中国でのコピーモデル。
- SPW-152:
BTR-152の東ドイツでの呼称。
装甲救急車型として使用された。
- SPW-152U:
戦闘指揮車輌型。
- SPW-152U: