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【P220】 †
SIG / Sauer P220
スイスのSIG?(シグ、スィグ)と、ドイツのSauer?(ザウアー、サワー、ザウェル・u・ゾーン)が共同開発した(実質的にはほぼSauer?による)セミオートマチックピストル。
口径は9mmx19の他、様々なバリエーションが存在する。(参考リンクを参照)
それまでスイス軍で制式採用されていたSP47/8(P210?)は高い命中精度を誇っていたが、主要な部品を高品質のスチールブロックからの削りだしにより製作する等、職人芸による高精度加工で製造されていたため、非常に高コストであり、大量生産が難しい製品であった。
そこで、次期スイス軍制式拳銃の選定においては、製造コストを低減し、短時間で大量に製造出来るような設計とすることが求められた。そこでSIGは、マシニングセンタやプレス機などの自動工作機械で製造することを主眼に設計されたピストルを設計、これが1976年、P220として採用された。このピストルは、スライドはスチールプレスの側にブリーチブロックをロールピンで固定、フレームはアルミ合金からの削りだし等、コストダウンの実現のため徹底した設計が成されていた(ただし、現在はP220系のスライドはすべてステンレスの削りだし製である)。これにより、外形はまっすぐな面を組み合わせた単純な形状になっている。後に多くの拳銃がこれに倣ったため、現代型拳銃の始祖ともいえる。
また形状合理化の一環として、銃身の薬室部分の外形を角張った形状とし、この上部が排莢口?と直接かみ合う事により、ティルトバレルロッキング?のロッキングラグを兼ねる構造となっている。これにより、スライド内側等の加工を単純化できるうえ、排莢口?が大型化したことにより回転不良が低減されるという効用もあった。これも後に多くの拳銃が模倣した。
安全機構は、それまでのマニュアルセフティ?を廃し、かわりにデコッキングレバー?を採用した。これにより簡単な操作でハンマー?を安全位置へ移動させることが可能になり、かつその状態からでもダブルアクションで射撃を再開することができる。
さらに、AFPB(オートマチック・ファイアリングピン・ブロック)の採用により、引き金を引ききらない限り撃針が前進しない構造となっている。
これらのインターナルセフティ機構により、薬室に装填した状態でも安全に携行でき、リボルバーに近い単純な操作で初弾を発射できるようになっている。
マガジンキャッチ?はグリップ底面に配置されていた(俗にコンチネンタルスタイル・マガジンキャッチとも呼ばれることがある)。これは当時のヨーロッパ製ピストルで採用例の多かった方式だが、誤ってマガジンキャッチ?に触ってしまうことが少ない反面、意図的かつ素早い弾倉交換を難しくしており、後に欠点のひとつと評価されていた。このため、後に発表されたP225以降は、多くのセミオートマチックピストルと同様に、マガジンキャッチ?がトリガーガード付け根部分に組み込まれるようになった、また、P220自体も、主にアメリカの民間向け市場からの要求により、マガジンキャッチ?をトリガーガード付け根部分に移設した仕様が発表され、現在はこちらの方のみが市場に供給されている。
マガジンはシングルカアラム(シングルスタック、単列弾倉)で、装弾数は9発(9mmx19)となっている。これは1970年代半ば頃に存在した自動拳銃の装弾数としては標準的な物であり、特別少ないという訳ではない。
なお、ダブルカアラム(ダブルスタック、スタガードカアラム、複列弾倉)による多弾数マガジンと、それを使用するピストルが一般化したのは、アメリカ軍によるJSSAP(ジョイント・サービス・スモール・アームズ・プログラム)が開始された1979年以降である。
このJSSAPトライアルに参加するべく、P220を基にプログラムの要求に沿うように改良を加えたP226を発表、ベレッタ社原案のM92S(後にはSB-F)と正式採用の座を最後まで争ったが、最終的には破れてしまう。しかし、一般市場や警察など法執行機関にはその高性能ぶりが高く評価され、数多くの法執行機関に制式採用されていった。現在、アメリカ国家安全保障局とSIG Sauerとの契約により、隷下の各機関の制式サイドアームとなっている他、世界中の軍および法執行機関に採用されている。
ブローニングBDAの名前でアメリカ市場に入ってきた1977年当時、.45のDAオートピストルとして登場したものの、そのあまりの先進性をアメリカの(.45=M1911と刷り込まれている)ユーザーが理解できず、全く売れなかった(このため当時のモデルは今やコレクターズアイテムと化している)事を思えば、隔世の感があるといえよう。
自衛隊では、1982年、P220を「9mm拳銃」の名称で採用し、ミネベアでライセンス生産したものを装備している。
これについて、なぜ初期型のP220を採用したのかと疑問視する向きもある。
これには「P220の形状が前任のM1911A1?に比較的似ていたため」「ダブルカアラムマガジンではグリップが太くなってしまい、手の小さな日本人には合わないと考えられたため」「マガジンの紛失防止を重視したため」など諸説がある。
グリップについては、そもそもP220のマガジン自体、.45を収容できるように作られており、M1911と比べてもマガジンの寸法自体は大差ない。故に、そのマガジンを収めるグリップ部の寸法は、M1911とP220では、実は大差がない。また、自衛隊仕様のグリップは、本国仕様に比べ、側面の厚みを減らし、外周の寸法を減じているといわれる。そのために却って握り心地を悪化させていると言われており、「P220よりもP226のほうが握りやすいのでは」という声も多い。
そもそもサイドアームなので火力はあまり重視されないものではあるが、一部では「拳銃は自殺用の武器なのだから弾数など要らない」というジョークもささやかれている。
なお、日本の機関であっても、海上自衛隊の「特別警備隊SBU」は2007年6月の訓練展示の際に、フラッシュライトを装着したP226を装備しているのが目撃されている他、海上保安庁の特殊警備隊なども、SIGではないがダブルカアラムマガジンのS&WM5904を使用しているのが確認されている。
代表的なバリエーション
- P220: シリーズの基本形、口径.45ACP(現在アメリカで販売されているのは.45仕様のみ)、9mmx19、.38スーパー、.30ルガー等。装弾数9発(.45のみ8発)
- 9mm拳銃: P220(9mmx19)を自衛隊が制式採用したもの
- P225: P220を基に全長・全高を小型化したもの ドイツ警察がP6として制式化していた。装弾数8発
- P245: P225の.45ACP版小型化改良型、製造中止 装弾数6発
- P226: P220をダブルカアラムマガジン化する等改良したJSSAPトライアルモデルの市販化仕様 口径9mmx19、.40S&W、.357SIG 装弾数15発(9mmx19)12発(.40S&W、.357SIG)
- M10: P226をアメリカ空軍?が護身用拳銃として採用したもの
- P228: P226を基に全長・全高を小型化したもの 現在は製造中止 口径9mmx19、.40S&W、.357SIG 装弾数12発(.40S&W、.357SIG)13発(9mmx19)
- M11: P228をアメリカ空軍?が護身用拳銃として採用したもの
- P229: P228を基にスライドをステンレス削りだし製とし強化、.40S&W弾を使用できるようにしたもの 口径9mmx19、.40S&W、.357SIG 装弾数12発(.40S&W、.357SIG)13発(9mmx19)
参考リンク:http://www.sigarms.com/Products/ShowCatalogProduct.aspx?categoryid=6
http://www.jda.go.jp/jgsdf/html/soubi/bottom/kaki/kaisetu/9mkenjyu.html