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【B737】 †
Boeing 737.
ボーイング社が1960年代に開発した、短・中距離路線*1向けの小型双発ジェット旅客機*2。
1967年4月9日に原型(B737-100型)が初飛行して以来、航続距離延長型*3、胴体延長型(座席増加)など多様な改造や改良を施した派生型を生み、今なお生産中の現役のベストセラー機である。
2018年3月までの生産数は10,000機以上にもおよび、ジェット旅客機としては世界一である。
なお、第2位はエアバスA320シリーズで約8,300機。
改良型の600型以降は「NG(Next Generation)シリーズ」と呼ばれ、従来の500型までの乗務員にアビオニクスの扱いを教育するだけで運行が可能になるので、教育にかかる費用などを抑えることができる。
また、NGシリーズはシステムを改良したほかにウイングレットをオプションで採用するなど、操作性・航続距離を向上させることにも成功した。
2011年、ボーイングはNGシリーズを更に改良して燃費効率を追求する737MAXシリーズの開発を発表した。
これはライバルであるA320シリーズの燃費向上型・A320neoの対抗策とされている。
エンジンにA320neoと同様のCFMインターナショナル Leapを採用するほか、機体にB787の技術を一部取り入れる等、A320neo以上の省燃費と快適性を実現するとしている。
2016年に初飛行、2017年に初号機が納入され、原型初飛行から半世紀の節目に最新鋭機として蘇ることになった。
米ボーイング社Link: http://www.boeing.com/commercial/737family/
関連:ボーイングビジネスジェット
(B737-500)
スペックデータ †
形式 | -100 | -200 | -300 | -400 | -500 |
乗員 | 2名(機長・副機長) | ||||
乗客 | 約115名 | 約130名 | 約150名 | 約120名 | |
全長 | 28.65m | 30.52m | 33.40m | 36.40m | 31.01m |
全高 | 11.23m | 11.07m | |||
全幅 | 28.35m | 28.88m | |||
胴体幅 | 3.76m | ||||
客室幅 | 3.54m | ||||
最大離陸重量 | 49,895kg | 52,437kg | 56,473kg | 62,823kg | 52,390kg |
エンジン | ターボファン×2基 | ||||
P&W JT8D | CFMインターナショナル CFM56 | ||||
エンジン出力 | 6,350kg | 7,258kg | 10,660kg | ||
巡航速度 | M0.73 | M0.745 | |||
航続距離 (km) | 約3,000 | 約4,000 | 約5,000 | 約4,500 | |
初飛行 | 1967年 | 1967年 | 1984年 | 1988年 | 1989年 |
製造終了 | 1973年 | 1988年 | 1999年 | 2000年 | 1999年 |
形式 | -600 | -700 | -700ER | -800 | -900 | -900ER |
乗員 | 2名(機長・副機長) | |||||
乗客数 (1クラス) | 132名 | 149名 | - | 189名 | 215名 | |
乗客数 (2クラス) | 110名 | 126名 | 162名 | 180名 | ||
全長 | 31.20m | 33.60m | 39.50m | 42.10m | ||
全高 | 12.60m | 12.50m | ||||
全幅 | 34.30m 35.80m(ウイングレット有) | |||||
胴体幅 | 3.76m | |||||
客室幅 | 3.54m | |||||
貨物室容積 | 20.4m³ | 27.3m³ | 44.0m³ | 51.7m³ | ||
最大離陸重量 | 66,000kg | 70,080kg | 77,565kg | 79,010kg | 85,130kg | |
機関 | ターボファン×2基 | |||||
CFMインターナショナル CFM56 | ||||||
出力 | 12,380kg | 12,030kg | 12,380kg | 12,882kg | ||
巡航速度 | M0.78〜0.785 | M0.791 | ||||
航続距離 | 約5,500km | 約6,000km | 10,200km | 約5,500km | 約5,000km | 約6,000km |
初飛行 | 1998年 | 1997年 | 2007年 | 1997年 | 2000年 | 2007年 |
派生型 †
- 第1世代(737-100/-200)
- B737-100:
100人級の中距離型。
- B737-200:
130人級の中距離型。
- B737-200C:
貨客両用型。
- B737-200アドバンス:
グレードアップ型。離着陸性能が向上している。
- B737-200C:
- B737-100:
- 第2世代(737-300/400/500、エンジンと垂直尾翼の形状を変更)
- B737-300:
150人級の中距離型。
- B737-400:
170人級の中距離型。
- B737-500:
130人級の中距離型。-200とほぼ同じサイズ。
エアーニッポンでは「スーパードルフィン」の愛称がある。
- B737-300:
- 第3世代(737NG(Next Generation))
- B737-600:
130人級の改良型。-200、-500とほぼ同じサイズ。
- B737-700:
150人級の改良型。
- B737-700ER:
B737-700の航続距離延長型。10,000km以上の航続距離を誇る。
- ボーイングビジネスジェット(BBJ):
B737-700がベースのビジネスジェット。
- B737-700ER:
- B737-800:
180人級の改良型。
- ボーイングビジネスジェット2(BBJ2):
B737-800がベースのビジネスジェット。
- ボーイングビジネスジェット2(BBJ2):
- B737-900:
180人級の改良型。B737シリーズでは最も大型。
- ボーイングビジネスジェット3(BBJ3):
B737-900がベースのビジネスジェット。
- B737-900ER:
B737-900の航続距離延長型。189〜最大215人。
- ボーイングビジネスジェット3(BBJ3):
- B737-600:
- 第4世代(737MAX)
- 軍用モデル
- T-43:
B737-200ベースの機上航法・電子装置操作訓練機型。
T-29(コンベア240の軍用型)の後継としてアメリカ空軍に納入された。
INS、LORAN、VOR、TACAN、電波高度計、地上走査レーダーなどの他、現在は訓練に使用されないものの天文航法用のペリスコープ型六分儀も5基備えてある。
2010年退役。
- T-43A:
練習機型。
- CT-43A:
輸送機型。
- NT-43A:
レーダー試験機型。
- T-43A:
- P-8「ポセイドン」:
P-3C「オライオン」の後継として開発された、B737-800ERXベースの長距離哨戒機型。
開発当初は「737MMA(Multi-Mission Maritime Aircraft)」と呼ばれていた。
2009年、アメリカ海軍航空隊が制式採用した。
- E-737(737 AEW&C):
B737-700ベースの早期警戒管制機型。
オーストラリア(E-7A「ウェッジティル*5」と呼称)・トルコ・韓国空軍で採用されている。
2019年、イギリス空軍もE-7 AEW&Cとして採用が決定している。
- B737-2X9「サーベイラー」:
インドネシア空軍向けの哨戒機型。
- C-40「クリッパー」:
アメリカ海軍・空軍向け人員輸送機型。
C-9B「スカイトレインII」の後継として導入された。
- C-40B:
C-137「ストラトライナー」の後継として導入された空軍向けの高官輸送機型。
737-700BBJがベース。
- C-40C:
C-22の後継として導入された空軍向け人員輸送機型。
空軍州兵と空軍州兵局の空輸要員によって運行される。
- C-40B:
- T-43:
*1 それまでこうした路線には、ダグラスDC-3/-4やコンベアCV240/340/440、ロッキードL-188などのレシプロ・ターボプロップ機が多く就航していた。
*2 当時の競合機種にはダグラスDC-9などがあった。
*3 長距離路線への就航を目指してETOPS/LROPS認証を得た機体もある。
*4 同じような非常口ドア配置は737-900ERの一部機体で実施されている。
*5 オナガイヌワシの意。