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【MiG-31】 †
1970年代に旧ソビエトのミコヤン設計局がMiG-25をベースとして設計した迎撃戦闘機。
NATOコードは
「超音速で展開可能な空飛ぶSAMサイト」ことMiG-25フォックスバットを改良したものなので開発はスムーズに進行し、1979年には量産化が開始された。
NATO?諸国が保有する攻撃機・爆撃機・巡航ミサイル等への対抗を主目的とし、航空機としては初のパッシブフェイズドアレイレーダーである SBI-16「ザスロン」(NATOコードはフラッシュダンス)を装備し、データリンクを使用してミニAWACSとしても運用できる。
また、同じデータリンクを使用してレーダーで捉えた目標データを同じ防空軍所属機であるSu-27などに送信することが可能である。
武装ではAA-9エイモスやR-37?・KS-172等の長射程空対空ミサイルの運用が可能となった。
また中射程空対空ミサイルではAA-12アッダー(MiG-31Mのみ)・AA-6アクリッドを、短射程空対空ミサイルではAA-8エイフィッドが搭載可能。
他にソ連機としてはおなじみのIRSTやMiG-25には無かったGSh-23-6M 6砲身23mm機関砲・空中給油プローブを搭載している。
また、エンジンをソユーズ・ツマンスキー R-15BD-300ターボジェットから燃費の良いソロヴィヨーフ D-30F6ターボファンへと換装されている。
基本的にMiG-25の改良型といえる領域なので、高空での高速迎撃に特化しており、その反面低空における機動性は皆無に等しい。
これはそもそも「超音速で展開可能な空飛ぶSAMサイト」という本機の設計コンセプトに由来しており、これに徹底した同機はR-33用にショックコーンの外にミサイルを出した後に発射するトラピーズ式ランチャーを備えるなどして超音速領域での安定したミサイル発射能力に力を入れるなど同時期の西側戦闘機比べて優れている。
また、この機が担当する広域防空においては守備範囲及び目標迎撃能力を決定する速度性能は極めて重要な要素であり、この機を評して「速度性能は重要な要素ではない」とする評論家はそもそもこの機の目的を理解してないと言えよう。
長距離・中距離での目視外射程戦闘はSu-27フランカーシリーズやMiG-29フルクラム以上である。
運用国は現在の所、ロシア(280機)とカザフスタン(34機)のみ。
MiG-31の主な種類 †
MiG-31
初期生産型は空中給油プローブを持たない。
MiG-31M
MiG-31の改良型。ハードポイントを胴体下と翼下外側の2箇所に追加し電子機器も改良。
7機の試作機が生産されたが、予算不足で計画は中止され、量産・運用に至らなかった。
MiG-31D
対衛星ミサイルを胴体下に1発搭載する衛星迎撃型。
実物のミサイルが製造されたが試射すら行われず計画倒れになった模様。
MiG-31B
MiG-31BS
MiG-31(初期生産型)から改修作業でB型に改修した型。
MiG-31E
レーダーやジャミング装置、IFF装置を装備せず電子戦関連装置をダウングレードした輸出型だが、現在の所海外からの発注はイランのみ。(現時点ではイランの受領は確認されていない。) カザフスタンにも輸出された。
MiG-31F
空対地攻撃能力を持つマルチロールファイター型。ザスロンAMを搭載。
MiG-31M同様に後席がグラスコックピット化するなど近代改修を受けている。
量産・運用されず。
MiG-31BM
F型に順ずるワイルドウィーゼル用途の機体といわれる。
Kh-29,Kh-31,Kh-59/Kh-59Mなど多様な空対地兵器の装備が可能となった。
量産・装備されず。
MiG-31FE
BM型の輸出型。量産・運用されず。
Photo:Сухой Suchoj Suchoi Sukhoi Suchoy Sukhoy