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【.45ACP】 †
アメリカで開発された45口径の弾丸の一種。
「.45 Automatic Colt Pistol」の略。「.45 Auto」、「11.43mmx23」とも。
米比戦争(1899年〜1913年)において、当時アメリカ軍が採用していたコルト・M1892の弾薬、.38ロングコルト弾が威力不足であることが露呈。
特にフィリピンで起こったモロ族蜂起においては、戦士達が戦争という極限状態と薬物で何物も恐れない異常な興奮状態にあったため、M1892の.38口径弾を6発全弾受けながらもなお向かって来、逆に殺されたという事態などもあったという。
結果として、事件後には旧式のコルト・SAAを引っ張り出し、再採用するという事態になる。
この時の戦訓から、アメリカ陸軍はストッピングパワーに優れた新たな弾薬と拳銃を求めるようになる。
この要求に応えたのがジョン・ブラウニング氏で、SAAで使用していたリボルバー用の.45ロングコルト?弾を、自動拳銃用に短縮するとともにリムレス化した「.45ACP」弾を考案。
最終的にコルト社のオートマチック式の拳銃(後のコルト・ガバメント、制式名称M1911)に採用され、大変広く普及することとなる。
このような歴史的経緯もあって、以降もアメリカはマンストッピングパワーの高い.45ACPに対して盲目的とも云える程の信仰を持ち続けており、アメリカ国内では現在も根強い支持を保っている。
近年では、AWBや各州法などでマガジンの装弾数が制限された関係で、「同じ弾数ならより大きな威力の弾薬を」と.45ACPが再評価されることにもなった。
この弾丸は、マンストッピングパワーを重視していることから貫通力は弱いが、貫通しない代わりに人体に衝撃を与えることができるため、殺傷力は高い。
また、9mmx19パラベラム弾と比較すると初速が遅く、亜音速弾であるためにサプレッサーとの相性がよく、このため.45ACPが普及していないヨーロッパでも、特殊部隊などを中心に限定的に.45ACP仕様の火器を採用する例もある。
反面、反動が大きく扱いにくい一面もあり、アメリカ以外ではさほど流通していない。
第二次世界大戦後、日本の自衛隊や警察にもコルト・ガバメントとともに大量に供給されたが、やはり小柄な日本人には不向きで、以後は.45ACP仕様の拳銃は採用されず、現在はミネベア・9mm拳銃が採用されている。
.45ACPを現在の基準で見た場合、反動が大きくコントロールが難しい、サイズが大きいため装弾数が低下する、複列弾倉(ダブルカラム)化が難しいなど、難点も少なくない。
そのため、.45ACPの欠点を解消しようと様々な新規格の弾薬が各社から提案されているが、これらの新弾薬もやはりそれぞれ一長一短があり、長年の実績と、数多くの企業から多彩な実包が安価に供給されている.45ACPの牙城を崩すには至っていない。
.45ACP弾を使用する主な小火器 †
- 拳銃
- 最初から.45ACP弾を使用するように設計されたもの
- M1905
- M1911
- コルト コンバットコマンダー
- コルト オフィサーズACP
- コルト ディフェンダー
- デトニクス コンバットマスター
- M1917リボルバー
- S&W? M25-2・M625(M25-2のステンレスモデル)
- S&W SW1911(S&W社製のM1911クローンモデル)
- S&W ガバナー
- H&K Mk.23
- H&K HK45
- GM FP45「リベレーター」(レジスタンス組織への供与用簡易型拳銃)
- インベルM911(ブラジル・インベル社製のM1911クローンモデル)
- SIG GSR(SIG Sauer社製のM1911クローンモデル)
- Llama IX(スペイン・リャマ(ラーマ)社製のM1911クローンモデル(現在は製造されていない))
- Llama Omni I
- AMT ハードボーラー(アルカディア・マシン&ツール社製のM1911クローンモデル)
- 9mmパラベラム弾モデルからの派生型
- 最初から.45ACP弾を使用するように設計されたもの
- サブマシンガン
- トンプソン・サブマシンガン
- レイジングM50
- M3サブマシンガン
- イングラムM10
- H&K UMP
- Hafdasa C-4
- Halcon M-1943
- クリス ヴェクター
- MP9
- その他
- デ・リーズル カービン
- デ・リーズル カービン