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【SA-4】 †
旧ソ連がS-75(SA-2)の後継として開発した、初の自走式長距離地対空ミサイル。
NATOコードはSA-4「ガネフ」と名付けられたが、ロシアでは2K11「クルーグ(Krug*1)」と呼ばれている。
1964年にモスクワの赤の広場?での行進で初めて一般に公開された。
SA-4の発射機はAT-T装軌車を改造したものでミサイルが大きいわりには自走が可能で、発射台にはミサイルが2発搭載出来る。
ミサイル(3M8または9M8)は発射されると初期誘導〜中間誘導は無線指令誘導?で目標を追尾し、最高速度マッハ2.5まで加速する。
その後、終端誘導ではセミアクティブレーダー誘導に誘導が切り替わり近接信管で目標を撃墜する。
なお、現在は旧式でありながら最大射程は72km(最高迎撃高度は24,000m)と、現在ロシア軍の自走式SAMではSA-12の次に射程が長い。
レーダー装置は、「ロング・トラック」目標監視レーダーと「パットハンド」目標追尾・誘導レーダーを使用しており自走可能。
索敵距離は不明だが、ミサイルの射程距離から見るとかなり長い事が予想される。
このように迎撃能力が高いSA-4だが、逆にあまりにもミサイルが大きいため次弾の装填にかなりの時間がかかるという。
輸出は、少数ではあるがブルガリア・旧チェコスロバキア・旧東ドイツ・ポーランド・エジプトで、今のところ実戦に投入された例は無い。
ロシア軍では、SA-10やSA-12を配備に伴い、すでに退役している。
関連:SA-10 SA-12
SA-4 photo:BC CCCP
配備国 †
運用中 †
- アルメニア
- アゼルバイジャン
- トルクメニスタン
- キルギス
- 北朝鮮
退役 †
- チェコスロバキア
- 東ドイツ
- ハンガリー
- ブルガリア
- ポーランド
- ソ連/ロシア
- ウクライナ
スペックデータ †
2P24自走発射機 | |
乗員 | 3〜5名 |
全長 | 9.46m |
全高 | 4.47m |
全幅 | 3.20m |
戦闘重量 | 30.0t |
エンジン | V-59 4ストロークV型12気筒液冷ディーゼル(出力520hp) |
最大速度 | 45km/h(路上) |
航続距離 | 450km |
携行弾数 | ミサイル2発 |
装甲厚 | 15mm |
兵装 | 3M8地対空ミサイル連装発射機×1基 |
生産台数 | - |
3M8ミサイル | |
全長 | 8.80m/8.30m(3M8M2) |
直径 | 0.86m |
翼幅 | 2.73m |
発射重量 | 2,500kg |
飛翔速度 | マッハ2.5 |
有効射程 | 8,000〜55,000m/9,300〜72,000m(3M8M1)/11,000〜50,000m(3M8M2) |
有効射高 | 300〜27,000m/100〜24,000m(3M8M2) |
推進方式 | ラムジェット+固燃ロケットモーター(ブースター4本) |
誘導方式 | ラジオ指令?/セミアクティブレーダー |
弾頭 | HE 破片効果弾頭(135kg) |
派生型 †
- 2K11「クルーグ」(SA-4):
3M8ミサイルを搭載する初期型。
- 2K11M「クルーグ-M」(SA-4A):
射程延伸型の3M8M1ミサイルを使用する型。
- 2K11M2/M3「クルーグ-M1」(SA-4B):
改良型の3M8M2ミサイルを使用する型。