Last-modified: 2023-07-03 (月) 07:47:48 (299d)

【T-80】(てぃーはちじゅう)

第二次世界大戦中にソ連で開発された軽戦車
T-70?軽戦車の後継として開発された。

T-70Mの改良型で、エンジンを出力強化型に変更し、砲塔を一人用の物から二人用の大型砲塔に換装して履帯幅を拡大、増加装甲を装備している。
武装はT-70と同じだが、20度しか取れなかった主砲仰角が65度へと大きくなっている。
この大仰角は市街戦において高層建築物の上層階を射撃できるようにするためと、対空射撃にも用いることを想定してのものである。

しかし、砲塔が車体上部からはみ出る形となったため、砲塔を取り外さなければエンジン上面のハッチを開くことができなくなり、整備性が低下している。
主砲は後により強力なVT-42/43 68口径45mm砲への換装計画もあったが実現しなかった。

1943年から配備が開始されたが、偵察軽戦車は従来の車両*1やレンドリース法で送られてくる英米の軽戦車(テトラーク?スチュアート?)で既に需要は満たされており、81両が生産されたにとどまった。
生産された車両は主に訓練部隊に配備されたほか、少数がT-70の補充用として実戦配備された。

スペックデータ

乗員3名
全長4.285m
全高2.175m
全幅2.5m
重量11.6t
懸架方式トーションバー、前輪駆動
エンジンGAZ-203F(M-80)4ストローク直列6気筒水冷ガソリンエンジン×2基
(出力85hp×2)
速度45km/h
行動距離350km
武装ZIS-19BM 45口径45mm戦車砲×1基(装弾数94発)
DT 76.2mm機関銃×1挺(装弾数1,008発)
装甲砲塔前面:35mm
砲防盾:60mm
車体前部上部:45mm


派生型

  • T-90軽戦車:
    T-70の砲塔をDshK12.7mm重機関銃2挺を搭載したオープントップ式銃塔に換装した型。
    当初、対空自走砲としてT-60?軽戦車の車体を用いる予定だったもので、後にベース車体がT-80と同じT-70Mの改良型に変更されたものだが、より強力なZSU-37?対空自走砲が採用されることとなり、試作に終わった。


*1 既に配備されていたT-70以下の旧型軽戦車や新たに偵察用として量産が始まったBA-64?軽装輪装甲車など。

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