Last-modified: 2024-03-03 (日) 15:32:48 (54d)

【P-8】(ぴーえいと)

Boeing P-8*1 "Poseidon".

アメリカ海軍で使用されている対潜哨戒機P-3/EP-3Eの後継として開発された多目的哨戒機
ボーイング社製の小型双発ジェット旅客機B737-800ERXをベースとした機体である。
開発当時は「MMA(Boeing Multi-Mission Maritime Aircraft*2)」と呼ばれていた。

製作はボーイングを中心としたMMA産業チームが行う。
その主な参加企業と担当は以下のとおりである。

ボーイング社は2004年6月に、連邦政府と38億9000万ドルで開発・7機の試作機製作の契約を交わした。
そして2009年4月に第1号機が納入され、「P-8『ポセイドン』」という制式名が与えられた。

アメリカ海軍では2012年から配備が開始されており、現在のP-3を代替する*3ため108機の納入を予定している。
また、アメリカ以外ではインドやオーストラリア・英国が導入している他、イタリアや韓国が導入を検討している。

英国への導入の際、競合機として日本のP-1も候補にあったが、コンペティションで本機に敗れている。
(本機のベースとなったB737は、10,000機以上の生産実績があり、修理・整備・交換部品の調達といったユーザーサポートの利便性が高いことも要因とみられている。
また、RAF早期警戒機として同じB737(こちらは-700型ベース)をベースにした「E-7A『ウェッジテイル』(B737 AEW&C)」を導入しており、パーツの互換性も高かったことも要因とみられている)

スペックデータ

乗員9名
操縦士3名(機長副機長、リザーブ)
TACCO2名
センサーワン/ツー
電子戦オペレーター(EWO)2名(センサースリー/フォー)
全長38.56m
全高12.83m
全幅35.81m
翼面積N/A
自重62,730kg
最大離陸重量83,780kg
搭載量34,096kg
エンジンCFMインターナショナル CFM56-7Bターボファン×2基
推力27,000lbf(120kN)
最高速度906km/h
実用上昇限度12,500m
戦闘行動半径2,000nm
兵装ASMAGM-84「ハープーン」AGM-84H/K「SLAM-ER」
魚雷:Mk.46、Mk.50
機雷爆雷
アビオニクスAN/APY-10?多目的レーダー
AN/ASQ-508A磁気探知機(P-8I)
AN/APS-143(V)3マルチモードレーダー(P-8I)


主なバリエーション


*1 ボーイング社内では「B737-800A」という名称も用いている。
*2 「多用途海上航空機」の略。
*3 2024年現在、P-3はアメリカ海軍の現役飛行隊からは全て退役しており、予備役飛行隊でのみ運用されている。
*4 なお、インドは以前、同じ愛称のP-2を保有していたこともある。
*5 Airborne Ground Surveillanceの略。
*6 同機は中古のB707をベースとしており、機体の老朽化が否めなかった。

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