Last-modified: 2023-01-12 (木) 09:40:47 (471d)

【M2】(えむつー)

1938年に開発されたアメリカ陸軍戦車
戦車創成期において試行錯誤が繰り返されながらようやく戦車の形となった。
開発中は「T5試作中戦車」と呼ばれ、既に制式化されていたM2軽戦車と部品を共通化する事が求められたため、構造的には若干古臭いものとなった。

武装は、全周旋回式砲塔にM3・56口径37mm対戦車砲と、M1919A4・7.62mm機関銃を同軸に装備し、車体左右にもM1919A4を合計4挺配置、さらに対空用にもう1挺装備した結果、6挺もの機関銃を装備していた。
さらに、M2中戦車として制式化され量産型になると2挺追加されることとなり、合計8挺の機関銃を持つ戦車となった。
全方向に機関銃で弾幕を張るという野心的なものであったが、重武装の割りには実力がまったく伴わず、実用性は低かったと言う。

その後、装甲とエンジンを強化したM2A1中戦車が第二次世界大戦におけるヨーロッパ戦線に投入されようとしたが、ドイツの戦車にはまったく歯が立たないことが判明し、100両弱が生産されたところで中断。
1941年6月には後継となるM3中戦車の引き渡しが開始されたため、M2A1中戦車はその存在意義を失い、訓練用としてわずかに使用されただけであった。

スペックデータ

乗員6名
全長5.385m
全高2.845m
2.743m(M2A1)
全幅2.616m
全備重量17.246t
18.74t(M2A1)
懸架方式垂直渦巻スプリング・ボギー式(VVSS)
エンジンライトR-973 4ストローク星型9気筒空冷ガソリンエンジン
ライトR-975-EC2 4ストローク星型9気筒空冷ガソリンエンジン
最大出力350hp/2,400rpm
400hp/2,400rpm(M2A1)
最高速度41.84km/h
行動距離200km
主砲M3 53.5口径37mm対戦車砲×1門(砲弾数200発)
副武装M1919A4 7.62mm機関銃×8挺(銃弾数12,250発)
装甲6.35〜28.58mm
6.35〜31.75mm(M2A1)


バリエーション

  • M2:
    初期生産型。18両が生産された。

  • M2(E-2火炎放射器搭載型):
    主砲部にE-2火炎放射器を搭載した火炎放射戦車の試作車。

  • M2A1:
    改良型。
    エンジン過給器を装備したライトR-975C1星形空冷エンジンに変更した。
    また、M3軽戦車砲塔が流用され、装甲も厚くなった。
    94輌が生産された。


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