Last-modified: 2023-11-08 (水) 19:21:12 (170d)
【DHC-7】 †
de Havilland Canada DHC-7.
カナダのデ・ハビランド・カナダ社（現在のボンバルディア社）が、1970年代〜1980年代に開発・生産した四発ターボプロップ旅客機。
通称は「ダッシュ7」。
本機は、先に開発された小型双発ターボプロップ機・DHC-6「ツイン・オッター」を基に、低騒音・STOL性を追求した大型の機体として開発された。
そのため、エンジンをDHC-6の双発から四発に変更したうえでプロペラブレードを改良し、客室の与圧化・引き込み式ランディングギアやドーサルフィンのついたT尾翼などの改良を施している。
エンジン排気口は主翼上面にあり、騒音の低減に注意を払っている。
開発は1972年に始まり、1975年に初飛行。
1978年にアメリカの「ロッキーマウンテンエアウェイズ」社により初就航した。
しかし、「STOL性能を備えたコミューター機」の需要は予想よりも少なく、販売は苦戦。
1988年にデ・ハビランド・カナダ社がボンバルディアに買収された際「四発機は製造コストも整備コストもかさむ」として113機で生産が打ち切られた。
なお、本機の後継として開発されたのが、現在も生産が続けられているDHC-8（ダッシュ8）である。
軍用機型も提案されていたが、採用したのはカナダ・ベネズエラとアメリカ（陸軍航空隊が電子偵察機・O-5として採用）のみである。
主な運用国 †
民間 †
- カナダ
- Air Tindi
- National Aerial Surveillance Program
- Trans Capital Air
- ケニア
- Airkenya Express
- イギリス
- 英国南極観測局（British Antarctic Survey,BAS）
- 英国南極観測局（British Antarctic Survey,BAS）
軍用 †
スペックデータ †
| 乗員 | 2名 |
| 乗客数 | 50名 |
| 全長 | 24.5809m |
| 全高 | 7.98m |
| 翼幅 | 28.35m |
| 翼面積 | 80�� |
| 翼型 | root：NACA?63A418 mod tip：NACA63A415 mod |
| 空虚重量 | 12,560kg |
| 最大離陸重量 | 19,958kg |
| エンジン | プラット＆ホイットニー・カナダ PT6A-50ターボプロップ×4基 （出力1,120shp（840kW）） |
| 最高速度 | 428km/h |
| 航続距離 | 1,280km（乗客50名と手荷物を含む） |
| 上昇限度 | 6,400m 7,620m（乗客無し） |
| 上昇率 | 5.7m/s |
バリエーション †
- DHC-7-1：
プロトタイプ。
- DHC-7-100：
旅客型の量産型。最大乗客数54名（43,000lbまたは離陸重量20,000kg時）。
- DHC-7-101：
旅客/貨物型の量産型。最大乗客数50名（43,000lbまたは離陸重量20,000kg時）。
左側前方に貨物ドアを備える。
- DHC-7-102：
旅客型の量産型。最大乗客数54名（44,000lbまたは離陸重量20,000kg時）。
- DHC-7-103：
旅客/貨物型の量産型。最大乗客数50名（44,020lbまたは離陸重量19,970kg時）。
左側前方に貨物ドアを備える。
- DHC-7-110：
イギリス向けDHC-7-102。
- DHC-7-111：
イギリス向けDHC-7-103。
- DHC-7-150：
総重量や燃料搭載量を増加させ、乗客の快適性を向上させた改良型。
- DHC-7-150IR：
カナダ運輸省向けに北極圏向けパトロール機として改良した型。
- CC-132：
DHC-7-102/-103のカナダ陸軍での名称。
- O-5A "ARL-I (Airborne Reconnaissance Low - IMINT?)"：
電子偵察機型。
- EO-5B "ARL-C (Airborne Reconnaissance Low - COMINT)"：
アメリカ陸軍向け電子偵察機（COMINT）型。
- EO-5C "ARL-M (Airborne Reconnaissance Low - Multi-sensor)"：
マルチセンサー偵察機型。
- RC-7B "ARL-M (Airborne Reconnaissance Low - Multi-sensor) "：
EO-5Cを改称したもの。
