Last-modified: 2024-04-12 (金) 10:59:39 (15d)

【An-71】(えーえぬななじゅういち)

Antonov An-71.

旧ソビエトのアントノフ設計局が、An-72をベースに開発していた早期警戒管制機
NATOコードではMadcap(マッドキャップ)と呼ばれる。

主翼上のエンジンと干渉しないよう、ロートドーム垂直尾翼の上に配置された。
このため垂直尾翼の形状は大型で前傾姿勢のものに変更され、水平尾翼T尾翼形式から通常の位置になっている。
さらにロートドームによって尾部の揚力が増大したため、主翼の揚力中心を前方へ移動させる必要があり、ほとんど前進翼に近い直線翼となった。
以上の設計変更と、An-72由来のUSB方式とがあいまって、本機は他に類を見ない、奇異な外観を持つ機体となった。
このような機体が3機試作され、1985年に初飛行した。

レーダーは最大探知距離350〜370km、高度0〜30,000mといわれており、同時に400個の目標を探知し、そのうち120個を自動追尾する「Vega-M」が搭載されている。
これらの情報を機上で処理し、ECCMが施された通信システムで送信することができる。
システムを操作するオペレーターは3名で、パイロット航空機関士を合わせた計6名で運用する設計である。

しかしソビエト空軍からはA-50「メインステイ」があるため不要とされ、ソビエト海軍では「輸送機としては小型の部類だが艦上機としては大きすぎる」として開発は中止された。
(ただしライバルのYak-44?早期警戒機もキャンセルされ、結果グズネツォフには早期警戒機が配備されておらず、Ka-31ヘリコプターを警戒任務にあたらせている)
ただ、近年ロシア空軍がふたたび本機に興味を示し、開発の再開を検討しているという情報もある。

スペックデータ

乗員6名
全長23.5m
全高9.20m
翼幅31.89m
空虚重量19,760kg
最大離陸重量32,100kg
エンジン主機:プログレス D-436Kターボファン×2基
補助用:リビンスク RD-38Aターボジェット×1基(推力31.9kN)
速度
(最大/巡航
650km/h / 530km/h
上昇限度10,800m
アビオニクスVega-M 捜索レーダー

派生型

  • An-71:
    基本型。現状は試作のみ。

  • An-71K(またはAn-75):
    艦上機型。計画のみ。


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